交通事故死者数が14年連続ワーストワンの愛知県。お膝元の名古屋市では平成27年の自転車による死傷者数は、全体の約19%を占めています。

名古屋市では2017年4月1日より、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が制定され、10月からは名古屋市内で自転車を利用する人には、自転車事故に備えた保険「自転車損害賠償責任保険等」の加入が義務付けられています。

自転車事故による死傷者数は未成年者と高齢者数で過半数

自転車は、通学や買い物などに利用され、高齢者も利用できる手軽な移動手段として幅広く使われますが、しかしその半面、他人にケガをさせたり、他人の持ち物を壊したりすることもあります。

便利な自転車ですが、自転車で法律違反をして事故を起こすと「刑事上の責任」が問われ、相手にケガを負わせたときは「民事上の責任」も問われます。

名古屋市で自転車の関連する事故のうち自転車側にも法令違反がある割合は、平成27年では約78%と国(約65%)と比較して高い割合を占めています。

また条例では、保護者の責務として、監督する未成年者が自転車を利用するときには、保険加入が義務付けられています。

下記のグラフは“自転車事故による死傷者数は未成年者と高齢者数で過半数”であることを示しています。

事故を起こした場合は民事上の賠償義務を負います。未成年者が事故を起こした場合には、その保護者が賠償義務を負うことになります。

子供が引き起こしたたった1度の交通事故が原因で、家族が離散したり路頭に迷ってしまうかもしれないのです。

加害者リスクはゼロにはできない。万が一に備えるために知っておくべきこと

どんなに注意していても、事故のリスクをゼロにすることはできません。

自分と家族の万が一に備え、「自転車損害賠償責任保険等」について学びましょう。

自転車損害賠償責任保険等

自転車は交通事故の被害者となるだけではなく、加害者になることもあります。近年、自転車利用中の事故で高額の損害賠償の支払いを命じられる事例が相次いでいます。

名古屋市は、自転車損害賠償責任保険等(※自転車の利用に係る交通事故により生じた他人の生命又は身体の被害に係る損害を填補できる保険または共済)に関する情報を提供し、保険の加入促進を図ることとあわせ、保険への加入を義務付けることで保険加入を促進して、被害者の保護を図っています。

保険の加入状況を確認することが困難であるため、罰則や措置命令等は条例では定めません。