
開幕が2日前に迫った1月14日、『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』開幕の延期と大会フォーマット変更が発表された。1月12日にトヨタ自動車13名、サントリー7名、キヤノン24名の新型コロナウイルス感染症陽性者が確認され2試合の開催中止が発表されたが、本日14日にNEC3名、神戸製鋼10名、東芝5名と新たな陽性者が出たため、選手、関係者の安心・安全を守った上での大会開催が困難であると判断されたのだ。オンライン記者会見には日本ラグビーフットボール協会岩渕健輔専務理事、トップリーグ太田治チェアマンが揃って出席し、次のようにコメントした。
「開幕2日前での発表を申し訳なく思う。今回開幕しても、現行フォーマットではリーグ成立条件の75%を達成しないとの判断で中止を決めた。リーグを成立させるための決断。選手・チームの安心・安全を担保し大会を進めていきたい」(岩渕専務理事)
「現行の大会フォーマットではリーグ不成立の可能性が高くなったので開幕延期となった。新たに3チームから感染症陽性者が出て、再検査の選手もいる。また濃厚接触者が特定できないグレーの状態のまま開幕はできないという判断となった」(太田チェアマン)
新フォーマットは2月初旬から中旬に開幕し、レッドカンファレンス、ホワイトカンファレンスに分かれての総当たり戦、『ジャパンラグビー トップチャレンジリーグ 2021』上位4チームをまじえた全20チームによるトーナメントを実施する予定。また現時点で5000人か収容率50%の少ない方とする政府の方針に沿って観客は入れる予定だという。太田チェアマンは「コロナの状況は日々変化しているが、プランB・Cと用意している。日本代表のスケジュールも加味して5月23日(日)にはリーグは終えたいし、逆算してスケジュールを考えている」と語った。
昨年末、PCR検査を行った際は陽性者は少なかったものの、年が明けて6チーム62名まで感染が広がった結果を受けて、岩渕専務理事と太田チェアマンは警戒感を深めた。
「数週間で感染者が増えた。次の開幕で感染者がゼロになるのかという議論はある。どうすれば安全な環境で試合ができるか考えていきたい。ただ感染者ゼロのチームが多数なので、何ができて何ができていないのか、確認したい」(岩渕専務理事)
「いずれもラグビー競技によって感染が広がったという報告はない。チームと突っ込んだヒアリングをした上で対策をしていきたい。感染予防や体調管理などガイドラインをより厳格化するなども考えていかなければならない」(太田チェアマン)
残念だが、今回は大会中止ではなく開幕延期である。大会方式やスケジュール、チケットについては決まり次第発表となる。まずは正式発表を待ちたい。