また、第1部の展示スペースでは、黒騎士ブラフォードがジョナサンと心を通わせた名シーンを思い出させる「PLUCKの剣」が存在感を放つ。第2部ではキーアイテム「エイジャの赤石」や壁に埋まって目覚めの時を待つ「柱の男」など、シリーズごとに原作ファンが“これを持ってきたか!”と良い意味で叫び出したくなる展示品が満載だった。

第2部までの波紋バトルが個人的に大好きな記者を感心させたのは、来場者が波紋使い気分を体験できる「水面」の仕掛けだった。波紋エネルギーを足に集中させ、反発力で水面を歩くという例のシーンである。天井から床へ映写されたバーチャル水面に来場者が足を乗せると、そこから同心円上に波紋が広がっていく。デジタルの最新テクノロジーに、会場スタッフのアナログな“ジョジョ愛”が加わって、原画ともども非常に見ごたえのある展示となっている。

驚きの最新テクノロジー“AR展示”

原画展を盛り上げるテクノロジーの結晶は「波紋の水面」だけではない。大日本印刷の特別協力により、AR(拡張現実)技術を駆使したさまざまな“AR展示”が登場している。

まずは仙台展でも好評だった「ジョジョの奇妙な杜王町MAP」。会場内に設置された杜王町の大型地図にiPadやiPhoneを連携させたものだ。杜王町の特定のポイントにカメラを向けると(事前にアプリのインストールが必要)、その場所にちなんだ原作のシーンが画面上で表示される。記者がなにげなくトニオさんのイタリア料理店にカメラを合わせたら、いきなり億泰が臓物をぶちまけるシーンが表示されて少々焦った。

次に東京展が初登場となる「ARオラオラ体験」。承太郎とDIOの等身大フィギュアにiPadのカメラを向けると、両者の背後にスタンドが現れ「オラオラオラオラ!」「無駄無駄無駄無駄ァ!」の壮絶なラッシュ合戦が繰り広げられる。

3つめの「ジョジョの奇妙なスタンド体験」も初登場。かつて記者発表会で荒木氏が直々に試し、漫画家のスタンド・ヘブンズドアーを一発で引き当てたという例のアレである。来場者がブース内に入ると上半身がカメラ撮影され、コミック調にアレンジされた姿となってスクリーンに映写。そこに原作のスタンドが合成されるという楽しい企画だ。選ばれるスタンドは全17種。これを試したくて仕方なかった記者が訓練してきたジョジョ立ち(訓練時間2分)で挑んだところ、第5部に登場したスティッキー・フィンガーズが出現。好きなスタンドで安心した。