ラーメンへのオマージュ満載なアニメーションも楽しいエンディング主題歌

エンディング曲は、こちらもユニークな個性が光る西沢幸奏さんの『LOVE MEN HOLIC』。ラーメンにまつわるキーワードを絡めながら韻を踏むリズミカルなヴォーカルとファンキーかつダイナミックなロックサウンドを大きな特徴とする1曲です。

大きくメリハリを付けながら歌詞を発していく歌い出しのパートから、メロディを全身で歌い上げるサビパートへと雪崩れ込む際の快感も強烈で、非常に中毒性の高い楽曲といえます。

また、エンディングアニメーションでは、歴代の有名カップ麺やインスタントラーメンのコマーシャル映像をパロディにしており、デフォルメキャラとなった劇中のキャラクターたちがコミカルなアクションを見せる映像は、見ているだけで楽しい気持ちに。

この曲も『FEELING AROUND』と同様に、モチーフとアーティスト性のバランス感覚が秀逸で、"ラーメン"という一見すると音楽に落とし込むのが難しそうな……下手をすれば、コミカルな曲へとなりかねないキーワードを上手く歌詞へと落とし込み、特別なポップソングを作り上げています。

音も映像もおもしろい1曲で、ラーメンを愛して止まない女子高生を主人公とする「『ラーメン大好き小泉さん』ならではこそ!」なジャストフィット感が何とも気持ち良い。こちらも今期オススメの主題歌です。

劇伴を手掛けているのは、ラーメン大好きなあの有名ミュージシャン!

本作の音楽において、主題歌と併せて注目すべき点が、その劇伴です。本作のサウンドトラックを担っているのは、サニーデイ・サービスのベーシストである田中貴さん。サニーデイ・サービスは、若者や恋人といった登場人物たちが佇む風景を都会的なサウンドに乗せて描き出す、情景豊かな音楽を作り出すバンドとして知られています。

インディーロック界の大ベテランともいえる同バンドにおいて、長年に渡ってベースを担当しているのが、田中貴さんその人なのです。

田中さんにとって、アニメの劇伴を担当するのは今作が初! それだけでも、アニソンファンのみならずロックファンにとっても見逃せない……いや、"聴き逃がせない"ポイントですが、実は、田中さんの本作への参加には、その音楽的才能や音作りの手腕と同じくらい重要な「ある必然性」が介在しています。

その必然性とは、田中貴さんが日本ロックシーン屈指のラーメン好きであること。

実は田中さんは、ラーメン評論家としても活躍されており、そのラーメンに対する情熱はガチもガチ。WEBサイトや雑誌への記事の寄稿に始まり、自身が監修を務めるラーメンムックの出版、BSで放映されているラーメン番組でのMCといった様々な媒体で、そのラーメンに対する知識と愛情を披露されています。

サウンドトラックには、田中さんのミュージシャンとしての人脈を活かし、SCOOBIE DOのマツキタイジロウさんや、田中さんがプロデュースしていた声優アイドルユニット、ワンリルキスのメンバーである藤村鼓乃美さんといったロック、アニメ界の垣根を超えたボーダレスなメンバーが集結。

ポップでありながら、ロックミュージシャンとしての出自を感じさせるトラックやジングルが数多く制作されており、劇中でキャラクターやストーリーを盛り立てつつ、音楽的な個性をシッカリと発揮しています。

ラーメンをメインテーマとしたアニメということで、そこにラーメン好きとして知られるミュージシャンを招聘するアイデアは如何にもおもしろく、こちらも本作の音楽面において特別なチャームポイントに。

秀逸な主題歌に、ラーメン愛を感じるミュージシャンの人選が光るサウンドトラック。『ラーメン大好き小泉さん』は、ラーメンと音楽にとことん本気なアニメ。替え玉よろしく、何度もリピートしたくなる楽曲が大盛りな本作に、どうぞ注目ください!

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。