パネルディスカッション--大会毎に異なるさまざまな課題

パネリストには東京マラソンレースディレクターの早野忠昭氏、長野マラソン運営統括の前島信一氏、神戸マラソン実行委員会事務局長の升川清則氏が登壇しました。会場に集まった各大会の運営者には、あらかじめ現状の課題について以下4つのテーマからアンケートを実施。これに、登壇者がそれぞれの運営経験をもとに答えていきます。

  1. 集客
  2. ボランティア
  3. 救護・整備
  4. 日本陸連に期待すること

ここでは1〜3の各テーマについて、どのような質問が投げかけられたのかをご紹介します。大会運営者の抱える現状と課題について、その内容からお分かりいただけるでしょう。本イベントはもちろん、日本陸連はこうした情報共有をより広げることで、日本国内におけるマラソンの文化作りに取り組んでいく姿勢です。

集客

「質問されている内容が分からないなど、外国人ランナーへの対策について」(富士山マラソン)

「定員は5日程で埋まるが、九州方面からもっとランナーを呼びたい」(しまだ大井川マラソン)

「リピーターや観光客の増加に繋げていきたい」(館山若潮マラソン)

ボランティア

「最終的には9,500名集まっているが、半年以上かけている」(名古屋ウィメンズマラソン)

「企業ボランティアをどうすれば増やすことができるか」(とくしまマラソン)

救護・整備

「整備費の負担が年々増えており、総予算の3〜4割にも及んでいる」(名古屋ウィメンズマラソン)

「AEDはどの程度の規模で設置すれば良いのか」(小江戸川越ハーフマラソン)
「走る側に自己責任の意識が高くない」(青島太平洋マラソン)

マラソン市場は、近年めまぐるしいスピードで変化しています。その中では、市場発展に向けてクリアすべき課題もまた数多く浮き彫りとなっていることでしょう。マラソンがブームで終わるのか、それとも文化として発展していけるのか。統括する立場としての日本陸連、そして各大会運営者を含めた連携は、大きなポイントとなりそうです。

“走る”フリーライター。スポーツを中心に、IT・WEBやビジネス関連などで執筆。「人生をアホほど楽しむ」がモットーのノマドワーカー。マラソンやトアイアスロンが趣味で、100km超のウルトラマラソンにも頻繁に出走。ときどき仮装ランナー。2児の子を持つイクメンとしても奮闘中。ナレッジ・リンクス(株)代表取締役。葛飾区堀切中学校・陸上部コーチ。1983年生。