■『梅ちゃん先生』の信郎(松坂桃李)にホレていた『アスコーマーチ』
武井咲の連ドラ初主演は、2011年4~6月期にテレ朝系で放送されていた『アスコーマーチ~明日香工業高校物語~』だった。平均視聴率は5.96%。確かにかなり低いが、このドラマは日曜の深夜11時から放送されていたので、視聴率が低いのはやむを得ない状況だったといえる。
実際、同じ枠で『俺の空~刑事編~』と『妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』がその後に放送されたが、どちらも平均視聴率は1ケタで、現在この枠ではドラマを放送していない。
コミック原作だった『アスコーマーチ』は、志望していた女子高に入学できなかったヒロイン・直(武井咲)が、男ばかりの工業高校に通いながらモノ作りの面白さに目覚めたり、恋や友情を育んで行ったりする青春物語だった。原作とは設定がだいぶ変わっていたし、工業高校の描写もありふれていたが、直のキャラクターは武井咲が明るく演じていたと思う。
直が恋をする相手役は、のちに『梅ちゃん先生』で信郎を演じることになる松坂桃李。つまり、信郎はこの明日香工業高校でネジ作りの基本を学んでいたことなる。しかも、ここでも『梅ちゃん先生』と同様に、玉木(賀来賢人)や広瀬(石田卓也)など、他の男子生徒のほうが魅力的に描かれてしまって、相手役であるはずの松坂桃李の良さはあまり発揮されていない。そのあたりも含め、今見返すとかなり面白かったりもする。
ただのヤンキーものとは違い、工業高校そのものを舞台にしたという部分では個性があるので、未見の人は一度見てみるといいかもしれない。