愛情は5分で伝わる!?

いま思うと保育園の人になに保育園を否定するようなこと言ってるんだ自分!
…と冷や汗もんですが、園長先生はそんなワタシに温かく答えてくれました。

園長先生「0歳児クラスを希望して同じように心配される方たくさんいらっしゃいますよ。
でも、保育園に預ける理由はご家庭でそれぞれ違うじゃない?

だからコレは見学に来た他のお母さんたちにも言ってるんだけど、
1日5分でいいから『お子さんの事だけ見て、お子さんを思いっきり愛する時間』を作ってあげて下さい。
ママはキミが大好きだよ~って目を見てギュ~っと抱きしめたり、一緒に本を読んだり、
仕事も家事も一瞬忘れて5分間だけは『その子だけのママ』になるんです。
忙しなかで毎日やるのは難しいかもしれないけど、きっと愛情は伝わりますよ!」

その言葉を聞いてワタシは目から鱗が落ちました。

――え!?1日たった5分でいいの!?――と。

なんてったって生後4か月のムスコとは絶賛ワンオペ密室育児の真っ最中で、
5分どころじゃおさまらないくらい1日中『ムスコだけのママ』をやってるワタシ。

しかし、ふと気付いたんです。
ワタシ…1日の中でムスコを思いっきり愛してる時間ってどんくらいだ?って。

ミルクあげて、オムツ替えて、抱っこして、寝かしつけて…
毎日繰り返される育児は最早『こなさなきゃならない仕事』になって、
家事や雑用に追われて『子どもを可愛がる』のは2の次3の次…
しかも疲れて我が子に「いい加減はやく寝てちょうだいよ!」とキレる始末。

ムスコと一緒に居るのにワタシは5分も愛せてない。
ムスコのことちゃんと愛したい。
そのためには保育園の力を借りて、自分の産後うつ状態を改善したい。
そしていつか心からムスコを愛して全力で可愛がりたい…!

そう決意したワタシはもう0歳児入園に迷いはなくなりました。
ゴリ押しはやめて冷静に気持ちを伝えたら旦那も理解してくれ、
何とか必要書類を期限までに集めて提出し、
『保活の秋』は幕を閉じたのです。

保育園にも愛はいっぱい

結果、あの園長先生の保育園は
超人気かつ超高倍率だったため問答無用で落選しましたが…

翌年の4月にどうにか希望を出していた保育園に無事入園できることとなり、
同じ0歳児の仲間たちと保育園デビューしたムスコは
ギャン泣きの慣らし保育や、鼻かぜ集団感染などの洗礼を受けつつも
愛情イッパイで元気に育っています!

ワタシ自身も仕事を再開し、育児以外の時間や社会に繋がることで
産後うつ状態もグッと改善していったのです。

時々、仕事が忙しくて構ってあげられない時が続くと、
「ムスコは保育園に入れたこと怒ってるんじゃ…もう近寄ってくれなくなったらどうしよう…」
なんてビクビクすることもあります。

でも保育園にお迎えに行った時、ワタシに気付いて笑顔になるムスコの姿を見て
「ありがとうムスコぉぉぉぉ!超可愛いいよぉぉお!」と悶絶し、
帰宅後には5分どころじゃなく30分くらいベタベタ・イチャイチャして
「ヤッベー夕飯なんも作ってねぇーー!」なんて日も(笑)

気付いたら『育児ツライ』よりも『ムスコが可愛い』が自然と上回っている自分がいました。
そんな自分になれたのも、あの園長先生の言葉と、旦那の理解と、保育園の皆さん、
そして毎日頑張ってるムスコのおかげだと本当に感謝しています。

今ではスッカリひとり遊びができるようになり、抱き締めるとウザがるようになったムスコですが、
今後も『1日5分の愛情タイム』を忘れずに、いつか3歳を過ぎても
『ママはきんちゃんのこと大好きだよ』って全力で伝えていこうとおもいます!

つづく

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

バックナンバー