子どもが産まれてから、気がつけば夫にセックスを拒否されたり、夜のコミュニケーションが苦痛だったり……そんなご無沙汰状態が1ヶ月も続けば、一般的には「セックスレス」と言われます。
そのことに夫婦ともに不満を感じていなければ現状としては問題ないかもしれませんが、どちらかが不満を募らせていたら次第にそのひずみは大きくなってくるもの。
そこから浮気や不倫に走ったり、そして愛情が薄れ、離婚の原因になることも……。
さらに厄介なのが、今は満足していても、10年後20年後になってから「レス状態をなんとかしたい」と悩み出すケースもあります。
そんな夫婦の問題に長らく取り組み、夫婦関係や恋愛関係に悩む女性会員1万3000名を持つコミュニティ「恋人・夫婦仲相談所」を運営しているのが、三松真由美さん。多くの悩める女性たちの事例を見てきた三松さんに、セックスレスに陥りやすい習慣や傾向、それを脱するための解決法について詳しく伺いました。
あなたはいくつ当てはまる?セックスレスに陥る悪習慣3つ
日本性科学会が定めた「セックスレス」の定義とは、「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ないこと」。
ただ、三松さんは、定義にとらわれずあくまでこれを「目安としてとらえてほしい」と話します。
三松さん「自分たち夫婦の頻度が多いか少ないかというのは、夫婦の個性や性の欲求の度合いによっても違います。また、性欲は人によって、環境によっても変わるので、夫婦のセックスレスの定義は夫婦で考えたらいいと思いますよ」
では、そんな夫婦によっても違う「セックスレス」ですが、どういう夫婦が陥りやすいのでしょうか?
1:「パートナーもしたくないはず」という思い込みがある
主に自分が現在「したくない」状態で、そのまましなくなっている夫婦のケース。「自分がしたくないから、きっとパートナーも同じ気持ちだろう」と思い込んでいることはありませんか?
三松さんは、「学会の定義は気にしなくてもいいけれど、お互いの話し合いはできていないといけない」といいます。
特に育児中の(もしくは妊娠中の)家庭で多いのが、「産後だからしばらくいいだろう」「妊娠中なんだから我慢してね」といった、妻側による一方的な決めつけなのだそう。
三松さん「子育てに一生懸命で、さらに働いていたりすると、忙しくてとてもセクシャルな気分になれないですよね。この世代は『あなたもそうよね?』という思い込みが非常に多いです。
もちろん夫側もしたくないというケースもありますが、『俺も今は大丈夫』と言っていたとしても“本当に大丈夫なのかどうか”は、しっかり話し合わないといけません。
妻は『半年しなくてもいい』と思っていたとしても、実は夫は『せめて3ヶ月に1回はしたい』と思っていたとしたら、そのズレは気になりますよね。逆もそうです。
今はまったくしたくないとしても、自分の欲求や、パートナーの性に対するスタンスはどんどん変わっていきますから。
例えばアラフィフになってから『抱かれたいのに夫が無視する』『夫がED』など、性の欲求を受け止めてくれる先がどこにもない、という悲痛な悩みが寄せられたりします。
病気だって虫歯だって放っておくと悪化します。セックスレスもそうなんです。なので早いうちのほうが予防しやすいし、改善しやすい。
お子さんが小さい世代の方はまだまだ予防しやすい世代です。今こそ旦那さんと、自分たちのレスの定義はしておくほうがいいと思います」