「以前お付き合いしていた彼氏ですが、町にあるホテルに行ったとき。

そこはすごく古くて、友人から『幽霊が出るって有名だよ』とは聞いていました。

そのホテルしか空き室がなくて仕方なく入ったのですが、確かに照明は暗いし壁紙は汚れているし、嫌な雰囲気でしたね。

でも、金額が安いので

『とりあえずゆっくりできれば』

と彼氏も私も気にせずいました。

ほの暗いお風呂で『何か出そうだよね~』と彼氏と笑いながらシャワーを浴び、部屋に戻ったとき。

電気を消して真っ暗な浴室から、突然“ジャーッ”と大きな音がしました。

びっくりして振り返ったら、浴槽の蛇口からお水がほとばしっているんですよね。

もちろん誰もいないし、何より怖かったのが水の勢いでした。

『ど、どうしよう、止めないと』

と思ってもふたりとも足がすくんでしまい、その間もずっと流れる激しい水音……。

意を決して彼氏が止めに行ってくれましたが、友人の言葉が頭に浮かんで離れなくなり、結局すぐに服を来て部屋を出ました。

今でもそのホテルの近くを通るだけで思い出します」(女性/28歳/小売業)

蛇口の老朽化が原因だろうと思いましたが、怖いのは水の勢いですよね。

誰もいないのに突然吹き出すなんて、どういう仕組みだとそうなるのか。

それとも、ふたりには見えないだけで、実は先に入っていた“何か”の仕業かもしれませんね。