――撮影中大変だったことはありますか?
古澤:彼らは本当に忙しいんですよね。国をまたいで活動しているので、AKB48並みかそれ以上に忙しいなというのが正直なところで。監督にはすごく限定された環境で引き出してもらえたんで本当に良かったなと思いましたね。特に大変だったのは、まとめてオープニングを撮った日です。初めて10人同時に来日して、そこから夜までずっと密着して。
大道:その1日でこの映画のオープニングとエンディングの撮影を全部やって。あの空撮も含めて、夕方から夜にかけて実質半日くらいでしょうか。時間的な制限のある中で、映画としての入口と出口の部分をちゃんとやらなきゃなということで、スタッフともいろいろ打ち合わせして、「何ができる・できない」ことを考えて、その中で限界までやれたと思います。普通空撮とかやんないですもん。まぁ一番大変だったのは、いきなり500メートルの橋を全力疾走させられた10人だと思いますが(笑)。
古澤:僕らも監督の中で見えてる絵をベストに近いかたちで叶えさせてあげたかったので、それをメンバーの方にも理解してもらって。あとはこの10人が 'One day'として初めてリリースされる『One day』という曲が映画の中で10人を繋げている、それをとてもうまく表現してくれたなって。
大道:この10人のお披露目っていうか新しいスターの映画っていうか、そこからの活躍を予感させつつ、とにかくワクワクする始まりにしたいなと思いました。愚直に真正面から、ひとりひとりの顔をカメラが横移動しながらワンカットで映していって、そこからドキュメンタリーにスライドしていって。元ネタは昔の東映の仁侠映画。あんな感じでまずバシっと掴みたかったんです。それが単なるケレンではなく、ラストへの仕掛けというか伏線も兼ねながら。実際に完成披露試写会の時、初めてお客さんと一緒に完成品を観たんですけど、メンバーの顔が映るたびに「キャー!」と歓声が聞こえて。狙ったところにちゃんと届いたなと思いました。
――私が観た時も上映後にお客さんたちが感想を語り合いながらキャッキャしてるのがほほえましかったです。メンバーの印象はいかがでしたか?
大道:軍隊並みの訓練を受けて覚悟を持って日本に来てますからね。そりゃもう礼儀正しくてビックリしました。ただそれだけではなく、忙しい日々の中で自分を見失いそうになりながらも踏みとどまる青年たちの素顔、そういう瞬間も大事にしようと思いました。
あと、これは本編からはカットしたエピソードなんですが、2PMのチャンソンをインタビューした時に、日本の小説を読んでいるという話になって。東野圭吾が好きだと。で、僕もミステリは大好きで東野圭吾も 20冊くらい読んでいたので盛り上がって。チャンソンは『変身』が一番好きと言ってて。僕は『悪意』が好きで、まだ彼は読んでいなかったので、その後に完成披露試写の舞台挨拶の直前に控え室で文庫本をプレゼントしました。