■上司とのランチで差をつけるファーストステップ 『ラポール』

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上司には『過去の話』と『家族の話』は鉄板ネタだ。拡大画像表示

それでは具体的には、どうやって会話を展開すればいいのだろう?

「いきなり『いまの職場の問題は……』などと切り出してしまっては、“評価されたい”という打算が見えてしまうし、上司を引かせてしまうことも。上司とのランチタイムを成功させるファーストステップとして、『ラポール』(安心してコミュニケーションを取るための関係づくり)を意識しましょう。心の交流が成立しやすい状況を作るため、まずは日常会話などで場の雰囲気を温めるんです」

ただし、なにも考えずに日常会話をすればいいというわけではないそうだ。

「会話には、パーソナルなものと、ノンパーソナルなものがあります。上司に印象を与えたいのであれば、天気やスポーツ、政治など、ノンパーソナルな話題ではなく、上司個人が主となる話題――パーソナルな話題を選択するべきでしょう。ノンパーソナルな話題に比べ、上司への興味関心が高いことをアピールできて、好印象を与えることができます。特に『上司の過去話』と『家族の話題』は鉄板ネタです」


[上司の過去話]

部下「課長は入社して、最初はどこの配属だったんですか?」
上司「大阪支店でね。あのときは、○○さんと僕のふたりだけで大変だったよ」
部下「○○さんと一緒だったんですか? 昔からあんな感じの人だったんですか?」
上司「いやいや、昔はもっとトンガっていて……」
部下「そうなんですね」

[家族の話題]

部下「課長はご家族とこういうお店、一緒に来られるんですか?」
上司「よく来るよ」
部下「いいですね。お子さんは今、おいくつですか?」
部下「今年、受験でね……」
部下「そうなんですか」

「自分の武勇伝を語りたがる上司は多いもの。即効性があるのは『上司の過去話』ですが、『家族の話題』で上司の家族構成などを把握しておけば、子どもの成長の節目節目で話題にすることができます。後日、またランチに誘われたときにも、話題に困らないでしょう」