■聞き上手が出世につながる! 第2のステップ『ヒアリング』

『ラポール』でその場の雰囲気を盛り上げることができたなら、次はどうすればいいのか。伊庭さんは、「聞き上手になること=ヒアリングをすること」を勧める。

「具体的には、上司の『やりたいこと』と、それを実現するための『問題点」を聞き出す過程です。『課長は今、どんなことをしたいとお考えなんですか? 折角の機会なのでぜひ、教えてもらってもいいですか?』と聞けば、きっと上司は話してくれるはず。まずは上司の考えや意見をしっかりと聞きましょう。最後のステップ『意見する』はその後。あなたからなにか提案するのは、上司に意見を求められてからです」

Photo credit: only_point_five / Foter / CC BY-NC  上司とのランチではメニュー選びも重要。価格差がないように。拡大画像表示

上司とのランチでは、しっかりと目的を持って臨むことが大切なんですね。そのほか、上司に評価されるためのランチのマナーとは?

「メニュー選びも重要です。上司と同じ価格帯で、注文してから提供されるまでの時間が短いものを選ぶべきでしょう。上司との価格差が大きければ、高くても低くても違和感が生じてしまうもの。また、上司を待たせないことを意識することも大切です」

上司とのランチタイムでは、「時間を意識すること」は大切なポイントだと伊庭さんは言う。

「食べるスピードは上司に合わせるべきでしょう。上司の食事のスピードが速いのであれば、食後に喫茶店でゆっくりしたと考えているのかもしれません。また、上司よりも早く食べ終えてしまうのも避けるべき。あなたにその気がなくても、上司を焦らせてしまうことになりかねません。もしも、うっかり早く食べ終えてしまいそうになったときには、料理を少し残して上司を待ちましょう。皿に料理が残っていれば、店員に下げられてしまうこともありません」

■最後まで気を抜かず、支払いは必ず店の外で待つ!

上司とのランチは会話だけでなく、注文から食べるまで、戦略的に進めていくことが大切。では、食事を終えて、支払いのときにはどう振る舞えばいいのだろう?

「上司にオゴってもらえることがわかっていても、支払う姿勢を見せることが大切です。レジの前では必ず財布を開けて、自分も支払うことを申し出ましょう」

その姿勢を見せるかどうかで、上司からの印象はずいぶんと変わるのだそう。

「また、上司にオゴってもらうときには、一緒にレジの前に留まることはNG。先に外へ出て、店の前で待っていた方がいいでしょう。なぜなら、上司は領収書をもらう可能性があるからです。オゴると言いながら、領収書をもらっている姿はあまり見られたくないもの。『外で待ってます』とひと声掛けて、先に店を出た方がベターです」

上司が店から出てきたら、ちゃんと「ごちそうさまでした」と、お礼が言えたなら完璧ですね! 次にまた、上司にランチを誘ってもらうコツは?

ラポール、ヒアリング、意見する、の3ステップがしっかり守れていれば、『こいつとのランチは楽しい/得るものがある』という評価につながるので、自然と誘われる機会も増えるでしょう。ただ、上司からの誘いを待つだけでなく、自分から誘ってみることが大事です。上司にとって、ランチは部下や職場の状況把握ができるだけでなく、部下とのコミュニケーションを深めるチャンス。部下から誘われて、うれしいと感じる上司がほとんどです。また、ランチはあなたの能力を上司にプレゼンできる絶好の機会。その機会が増えれば増えるほど、上司からも愛されて、職場でのチャンスに恵まれるようになります。ぜひ、上司とのランチタイムを有意義な時間として、活用してください」

ランチタイムで“愛され部下”を演出できれば、成功のチャンスを掴むことができるはず。さあ、今日のランチには上司を誘ってみよう!

※初出時よりタイトルを変更しました。