■個別の株はなかなか難しい
投資を行う場合、誰でも「株」を思い浮かべることでしょう。しかし、初心者がいきなり株式投資することはあまりオススメできません。なぜなら初心者ほど避けるべきは「一点勝負」だからです。
有望な会社に集中したほうが早く大きく儲かるような気がしますが、そもそも上昇の余地がある有望な会社を見つけることができるでしょうか? セブンイレブンやヤフーを上場当初から買っておけば大金持ちになっていたはず、と言われても、数十年前にそのすごさに気がつくことができたかは疑問です。たぶん、その成長性に気がつかなかったことでしょう。
個別の株で勝負する、ということは値動きがかなり激しくなる、ということです。2012年12月の場合、一番上がった日本株は2.9倍(290%!)である一方、一番下がった株は-40%でした。わずか1月でもこれだけ動く株の中から「いい株」を選んでいくことは簡単ではないわけです。
投資初心者の場合「大もうけのチャンス」を追求するだけでなく「大きく損してしまう危険性」を回避することのほうが重要です。その有力な方法は、「複数の株を同時に持つ」ということで、1社だけでなく、2社、3社とたくさん株を持っておけば、1つの会社の下落があっても平均すればインパクトが薄れてきます。
しかし、ソニーとトヨタ自動車とイオンにソフトバンクと4社の株を買うだけでもとてつもない金額が必要です(ちなみに700万円でようやく買えるくらいです)。何かいい方法はないものでしょうか。
■1万円から1600社の株を買う方法がある!
実は手っ取り早く、1万円程度でたくさんの会社の株を買う方法があります。それは「投資信託」という仕組みです。投資信託とは個人の小口のお金をたくさん集めて、投資信託会社に勤めるファンドマネージャーが売買をする仕組みです。
個人が東京証券取引所の一部上場企業約1600社を同時に投資するのはほぼ不可能です。しかし投資信託のうち、日本の株式に投資する商品を選べば、これとほぼ同様の投資を実現することができます(例えば、ベンチマークをTOPIXとしたインデックスファンドと呼ばれるものを選ぶ)。
日経平均やTOPIXといった日本の株価水準を示す指標がありますが、これに連動する運用を行う投資信託があり、これを買うことで「日本の株価が10%上がれば、自分の投資信託も10%値上がりする」という運用を簡単に行うことができます。細かい売買は一切不要で、最初に買って持ち続けるだけでいいのです。
投資信託はバラエティの豊富さも持ち味です。世界の株式に投資をしたければそうした投資信託があります。世界中の株を1万円で買えるなんて驚きです。ブラジルやインドのような成長国にのみ投資する投資信託も選べます。あるいは「日本株でも日本の優れた会社にだけ投資をしたい」と思うのでしたら、そうした運用方針を掲げる投資信託も販売されています(ただし値動きが平均に勝てるかどうかは保証されません)。