ほうれん草、小松菜、ピーマン、ニンジン、どれもこれも栄養があります。でも、野菜嫌いの子にとっては苦痛な食べ物です。パン、うどん、フライドポテトなど好きなものばかり欲しがります。
野菜を食べてもらうには、どうしたらよいのでしょうか。
大人は「栄養のバランスを考えて」「ダイエットのため」と野菜を意識して摂る人も多いです。でも、この世に生まれてまだ数年の子どもには、なかなか目的意識が持てません。苦かったり、味がなかったりする野菜を食べたくはありません。
『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子が、子どもが野菜嫌いになる理由や、対処法と注意点についてお話しします。
野菜嫌いな子が多い理由
味には五原味があります。
- 甘味…エネルギー源として生きるために必要で、人間が好みます
- 塩味…身体の塩分バランスを保つため、自然に欲しくなります
- うまみ…タンパク質の味で身体を作るもの。これも上記と同様です
- 酸味…酸っぱい、腐敗のサイン、腐っている、危ないと感じる
- 苦味…毒である、恐怖を感じる
1~3は、身体に必要なものとして「美味しい」と感じるようにできています。
けれども、4、5は積極的に摂るように脳でシステム化されておらず、むしろ生物界では生存を脅かすものとして、拒否する傾向にあるそうです。
野菜(特に葉物野菜)は苦味があり、嫌いな子どもが多いです。繊維も多いので食感もモソモソして、いつまでも口の中に残ります。水分がなくなり飲み込めず、悪戦苦闘します。
こんなときは、次のように調理法を工夫しましょう。
- 片栗粉や葛粉でとろみをつけ、飲み込みやすくする。
- 濃い味にならない程度に甘味、塩味を付ける。
- 繊維に沿って切るのではなく、繊維を断ち切るような切り方にする。
また「たくさん食べてほしい」と多く盛りつけがちですが、苦手な食材なのですから、まずは少量からにしましょう。
嫌いな食べ物を口に無理やり押し込まれたら…
さて、嫌いな食べ物を無理矢理口に入れられたらどう思うでしょうか?
「オエッ!」となってしまい、食事時間が物凄く苦痛になりますよね。
そこで、たとえばニンジンが嫌いな場合、子どもにわからないように細かく刻んでハンバーグに入れても、嫌いなものに対して舌が敏感になっていますので、すぐにバレてしまいます。
そうなると、ニンジンが入っていないハンバーグでも、「もしかしたら、嫌いなニンジがン隠されているかもしれない」と疑われてしまいます。
私は保育園で仕事をしていましたが、保育園の給食では「残さず食べよう」とか「お皿をピカピカにしよう」という方針のため、保育士が一生懸命子どもに食べさせています。
そんなとき、つい「何とか食べさせよう」という思いが募って、子どもの大好きな白いご飯の上にのせて口に入れたり、汁物の中に入れて一緒に飲ませたりしていた保育士もいましたが、これは良くないですね。自分がやられたら、嫌ですよね。