今、話題の「非認知能力」。点数などで数値化できない知的能力以外の能力です。具体的には、やり抜く力、自分を信じる力、意欲、忍耐力、協調性など。今の時代に生き抜いていくために欠かせないスキルといわれています。

学校でもカリキュラムに反映されてはいますが、幼児教育の観点からも重要視されています。

そんな中、一般のママたちは、我が子が大人になってから困らないよう、幼い頃から非認知能力を養うために様々な工夫をしているようです。

そこでママたちが普段から我が子に実践していることをピックアップしてみました。それらは専門的な知見からすれば、非認知能力の向上に役立つのでしょうか?

今回は、日本初の非認知能力専門塾「Five Keys」の代表 井上顕滋さんにお話をうかがいました。果たしてママたちの実践は効果があるのでしょうか?

一般的によく実践されている3つの方法について、本当に非認知能力は育つのか、またおすすめの方法を教えてもらいました。

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ママたちが実践している3つの方法は効果あり?専門家に聞いた

1.子どもが失敗したら自信を無くさないよう励ます

評価できる点

井上顕滋さん(以下、井上)「子どもが失敗したときに励まし、自信を取り戻させることで、子どもは失敗を過度に恐れず挑戦を続けやすくなります。

子どもが失敗したタイミングを『成長のチャンス』ととらえ、うまく励ますことができれば、子どもは失敗を『学びの機会』ととらえることができ、レジリエンス(心理的な回復力)と自己効力感を高めることにもつながります。

チューリッヒ大学教育研究所のYves Karlen氏らが行った研究とオランダのアムステルダム自由大学のT.W.P.Janssen氏らが行った研究からも『失敗は能力の欠如ではなく成長のための機会だ』と考えられる子は、粘り強く、困難に直面してもすぐに立ち直る力(レジリエンス)が高いと報告されています」

おすすめの方法

井上「励ますときのポイントは、結果ではなく、プロセスを重視すること。子どもの努力や工夫に注目し『自分で計画して頑張ったのは素晴らしいよね』などと伝えつつ『次はどんな工夫をするとうまくいきそう?』と問いかけることで、子ども自身に改善策を考えさせます。

努力や工夫を称賛した上で、次につながる質問をすることで、子どもは『次はもっとうまくやれる』と感じ、挑戦意欲が高まります。

例えばテストで望む結果が出なかった場合、まず『今回のテストでうまくいったところはどんなところ?』という質問でポジティブな側面に気づかせてあげてください。その返答に対して『それすごいね』などと称賛した上で、さらに『今回の結果からどんなことが学べた?』とあたたかいトーンで声をかけるとよいでしょう。

そうすることで子どもは自信を失わずに次の目標に向かうことができます」