子育てをする中で、子どもを叱りすぎたな、言い過ぎたな…などと後悔することは、誰しもありますよね。
そんな過剰な“言い過ぎ・やり過ぎ”が、子どもの精神に大きな影響を及ぼすとしたら、一刻も早く改善する必要があります。
今回は、子どもが「生きづらさ」を感じる原因になる、親がやってはいけない態度について解説します。
様々な困難を抱えた子どもたちが通う、日本財団子ども第三の居場所プロジェクト・尼崎拠点・福井邦晃さんにお話を伺いました。
子どもが将来、生きづらくなってしまう「親の態度」
親の都合で子どもを操る
親の都合はさまざまですが、最もやめてもらいたいことは“この子のため”という言葉を使って、子どもを操作してしまうことです。
これは“子どもにとってどうか”ではなく、親自身の価値観に基づき“こうあるべき”を、子どもに押し付けてしまっているのです。
親がこうした都合を押し付けてしまう背景には、家庭外の世界において、“子どもの言動≒親の教育の成果”ととらえていることがとても多いように感じます。
そうなってしまうのは、親自身が“世間からの親としての評価”を気にしすぎてしまっているからです。結果として、本来“子どもにとってベストなことは何か”という視点が抜け落ちてしまっています。
親子を取り巻く社会や、“親として完璧であるべき”“失敗できない”といった歪んだ価値観が、“親の都合を子どもに押し付けて操作する”といった行動をとらせているのです。
怒りで子どもを操る
怒りの感情で子どもを操作することですが、これも一刻も早くやめておきたいことです。
自分にとって都合のよくない子どもの行動を是正させるために、怒りで子どもを叱りつけ、操作しているにすぎないのです。
実際、子どもを叱ったとき、どうでしょうか?子どもにとっては“怒られた、叱られた”という事実だけが残るだけになってはいませんか?
「自分は怒られるようなダメなことをした・言った」→「だから自分はダメな人間だ」と捉えてしまい、こういったことが常態化すると、自尊心の低下に繋がってしまうのです。
だからといって、“怒られたから、これはダメなんだ”と素直に解釈して言動が改善されたとしても、“親の言うことは絶対”“大人が正解”という考え方や価値観をもつようになります。
そうなると、大人の顔色を常に伺うようになったり、自分の意見があっても押し殺してしまうようになったり、そもそも自発的に意思がもてないということに繋がってしまうのです。