『Five Keys』での塾生への関わり方

日頃の生活の中で、子どもの非認知能力を育むためにどのように関わればいいのでしょうか。

そのヒントを得るために、非認知能力を育てる塾「Five Keys」でコーチが塾生へどのように関わっているのか、そのポイントを3つ挙げていただきました。

1.子どもをありのまま受け入れ、「あなたは大切な存在だ」というメッセージを伝える

井上「担当コーチは子どもをありのまま受け入れ、『あなたは大切な存在だ』というメッセージを伝えています。そして保護者にもそれは親の役割であると伝えています。

我々の経験から、子どもの『できないこと』『足りないところ』ばかりに目がいってしまう保護者の子どもは、成長が遅いと断言できます。

子どもは成長過程にあるため、失敗や間違いがあることが当たり前であるという大前提を忘れずに、親が努力や長所を見つけて褒めることで、子どもの自己肯定感や揺るぎないセルフイメージを育むためのベースがつくられます。

その上で非認知能力の中でも特に重要な特性や能力を高めるためのトレーニングをすることによって、周囲も驚くような成長を手に入れていただいています」

2.自分の意見や感覚を言語化するトレーニングと相手を理解するトレーニングを同時に行う

井上「Five Keysでは、塾生が自分の意見や気持ちを自由に話せる場を、すべての授業内に複数回設けています。

ディスカッションやグループワークを通じて複数の相手に対し自分の思いを伝え、複数の相手の考えを理解する練習を積むことで、社会で通用する高い対人スキル、つまり高度なコミュニケーション能力が磨かれ、協調性やリーダーシップも育まれます。

またコーチとの面談では子ども自身が深く考え、自己分析をし、気づきを得ることができる質問を投げかけます。大人から教えられたことを素直に実行する子の比率は低いのですが、自分で気づいたことを実行する子の比率は高いためです」

3.目標設定と振り返りにより挑戦を支援する

井上「塾生自身に目標を設定させ、その達成に向けて計画し行動する習慣づけを行っています。毎週の授業で『計画に対して達成したこと』をグループ内で発表させ、できたことは存分に称賛し合い、うまくいかなかったことも自分なりの分析と今後の対策まで発表します。

こうしたプロセスを通じて計画性や粘り強さ、分析力や自己修正力が養われ、失敗を糧にする力が育ちます。塾生が自分で立てた目標に挑戦し達成する成功体験の積み重ねこそが、非認知能力の中でも特に重要な、自己効力感や問題解決力を育みます」

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子どもの非認知能力がぐんぐん伸びるよう、ぜひ実践に取り入れてみてください。

【取材協力】

井上 顕滋(いのうえ・けんじ)さん
最先端の心理学、脳科学を融合させることで人それぞれの持つ能力を最大限に引き出す、独自の能力開発メソッドを確立。2011年に日本初の非認知能力専門塾Five Keysを設立。これまで指導した小学生の保護者は5万人を超える。