――お子さんは子どもの頃、ニコニコされていたんですよね。それがなによりですよね。
「そうそう、あたしが怒らなかったから当然ニコニコしてた。友達も多いですしね」
――一度も叱ったことはないんですか?
「その場その場ではありますよ。
特に息子の場合は男の子だから、家に火をつけようとしたりとか、そういう時はもちろん怒る。ただ、もうすぐ叱るだろうなっていう状況ってわかるじゃないですか。それをそうなるまで放っておかない方が得策ですね。
たとえば、子どもが塾をさぼった時に、“塾行ったわよね?昨日は行くって言ったじゃない。どうして行かなかったの?”って畳み掛けるように言うのは、男の携帯見てわめくのと一緒ですよ」
――たしかに!
「それよりも“今日、塾、行かなかったの?”って普通に聞けば、うんって言いますよ。そうしたら“じゃあ今日は仕方ないから、明日は行こうか”って言えばいいわけで。
結果が見えてるのに怒り出す感情的なアレが嫌いなんですよ。とにかく仕事が忙しいんで、怒ってるヒマないんですよ」
――じゃあ、怒ってしまう人は…
「ヒマなんです! あと、過ぎたことを後から言う人もいますが、その時に言わないと意味がないです」
子どもはあっという間に巣立つから
――ところで女の子についてなんですが、私にも、男女ひとりずつ子どもがいるのですが、下の女の子が本当にかわいいなあ~、と思うんですね。仕草とか、言うこととか。
二人目ということもあり、ついしょっちゅうかわいいかわいい言ってしまうのですが、将来、高飛車な女になってしまうんじゃないか、と心配になることがあるのですが、これって、大丈夫でしょうか。
「あ、それ、うちの娘で~す!」(爆笑)
――そうなんですね! それなりに挫折はしてくれますかね? 今は「かわいいかわいい」でいいんでしょうか。
「世間に出れば挫折の連続ですから。小さい時は、かわいがらなきゃもったいないじゃないですか。子どもなんて、一瞬で大きくなっちゃいますから。
バーンってドア開けてどっか行っちゃうし、それに彼氏なんてできたら、母親なんて犬、いや石ころ扱いですからね。振り向いちゃくれません。
ただ、世間にはハナクソみたいな男もいっぱいいるので、早く別れて、次に行ける女性になってほしいですね。一途っていうのは、本当に邪魔ですからね」
――一途は邪魔?
「一途な女性っていうのは、姑にいじめられて、家事も全部やらされて、お礼も言われないで耐えている。一途っていうのは、相手の悪い所が見えなくなる病気です。
そういう意味で、本の中でも“性格が悪い方が幸せになれる”って書いてます」
――なるほど。「優しくていい子になってね」ではないんですね。
「誰の人生でもない自分の人生ですからね、旦那のものでもない」
自分の幸せは自分で取りに行く
――専業主婦願望を持つ20代女性が意外と多い、ということが一時話題になりました。「専業主婦=男に養ってもらう」ということですから、サイバラさんが本で書かれている「自分で自分の幸せを取りに行く」ということとは、真逆ですよね。
養ってもらう生き方については、どう思われますか?
「専業主婦を否定するつもりはないですが、あまりに危険すぎます。リスクヘッジがなさすぎるので。
それは私が自分の故郷で、9割以上の人が別れた夫から養育費をもらっていない状況を散々みてきたから言うんです。養育費が払える男なら、そもそも離婚にならない。養育費も払えないような人間のクズってのは、結婚しないとわからないんです。みんな嘘つくのがうまいから。
私の夫もそうでしたが、アル中も病気だということを隠せるんです。女性が出産とかで弱くなった途端に牙を剥くんですね」
――サイバラさんの言われる「絶対に浮気しない男も、絶対につぶれない会社もない」ってことですね。
「子どもをちゃんと身ぎれいにして、家の中をきれいにして、完璧な主婦ができたとしても、相手が暴力を振るう男だったら、どうしようもないでしょ? それがなかなかわからないんです。親の代から隠してる家もありますからね。
そんな時、夫がガンになったら、夫の会社がつぶれたら、どうするのってことです。必ずどれも起こりうることですからね」