【家電コンサルのお得な話・63】 副業が勤め先にバレる理由の一つとして、前編で「住民税」のケースを紹介した。これと同じくらい多いのが、意外ではあるが「知人・同僚からの告げ口」である。
職場の仲のいい同僚には要注意
副業する際の注意点として、前編では住民税から副業がバレる仕組みを紹介した。これは住民税の特別徴収の仕組みから必然的にわかるものだが、後編となる今回は少し寂しい話にはなるが、人間の心理的な原因からバレる「告げ口」について実例を交えて考えてみよう。
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何らかの副業を始めて、うまく行き出すと嬉しくなり、ついつい誰かに自慢したくなるものだ。ただ、知人・同僚の中には、この「うまくいった経験」を一緒に喜んでくれる者だけとは限らない。妬んだり、疎ましく感じる者もいる。
特に職場の同僚には要注意である。本当に寂しい話ではあるが、「職場での友人関係の継続は難しい」という状況を筆者は何度も目にしてきた。
その一つの事例を紹介しよう。ある企業に、同期入社で仲のいいA君とB君がいた。二人は休みの日も一緒に遊びに行くなど、はた目にもその仲の良さは見てとれた。しかし数年後、A君が先に主任になったことからB君との関係がギクシャクしたものに。A主任はB君に指示しにくいなど、やりにくさはあったが、大きな問題はB君にあった。
それまで同期として付き合っていたA君が自分の上司になったことを快く思わなかったB君は、陰でA主任の悪口だけでなく、あること、ないことを言いふらし、日頃の鬱憤を晴らすようになったのである。こういった状態になれば、「仲が良かった時に聞いた秘密」はB君にとって、A君の足を引っ張る格好の材料となる。
このように、友人関係がいつまでも良好に続くかは誰にもわからないし、悪気がなくてもおしゃべりな人はいるだろう。よく、「宝くじが当たっても、誰にも言ってはいけない」と言われるが、それと同じということだ。
もともと、人は「心理的リアクタンス(図参照)」により、「ここだけの話」など「口止めされればされるほど、広めてしまう」という習性を持つと言われている。
まして副業禁止の企業だと懲戒処分を受ける可能性があるなど、本業での不利益が発生するため、「副業禁止企業での副業ははじめから行わない」というのが最大の自己防衛策だと言えるだろう。
ただ、副業禁止企業に勤めていても、将来に備えて(起業や副業容認起業への転職、勤務企業の副業解禁など)、自分の時間を使用して準備できる項目は多い。このコラムでは、このようなできる範囲での準備についても今後紹介していければと考えている。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。