「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ」 (バラク・オバマ大統領)
「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」 (踊る大捜査線)
「お前の為にチームがあるんじゃねぇ! チームの為にお前がいるんだ!」 (SLAM DUNK)

人々の心をつかむ、これらの名言たち。内容は全く異なるものの、実は“言葉の組み立て方”という共通点がある。よく見ると、前後の言葉が正反対の意味になっていることに気づくはずだ。

「どの発言も、後半だけで意味は通じます。でもあえて、本当に伝えたいメッセージの前に正反対の言葉を置いてギャップを作り出し、インパクトを強めている。これは“ギャップ法”という、言葉の力を強める技術のひとつです」

そう話すのは、『伝え方が9割』(ダイアモンド社)の著者で、博報堂のコピーライター・佐々木圭一さん。「アジエンス(花王)」や「プレイステーション(ソニー)」のCM制作に携わり数々のヒットコピー生み出してきたほか、郷ひろみやCHEMISTRYに詞を提供するなど、多岐にわたって活躍する売れっ子クリエイターだ。

そんな佐々木さんによると、人の心を揺さぶる伝え方には法則があり、なんと誰でも真似できるのだという。

『伝え方が9割』
佐々木 圭一(著)
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「例えば『このレモネードは酸っぱい』という言葉にギャップ法を用いると、『ほかのレモネードが甘く感じるほど、このレモネードは酸っぱい』になります。簡単ですよね? 伝え方のノウハウを学び、コツさえ掴んでしまえば、誰でも“伝え上手”になれるんです」

実は佐々木さん自身も、幼少期から伝えることが苦手で、「入社当初は、コピーどころか文章もろくに書けなかった」のだそう。どうにか現状を打破しようと古今東西の名言集や詩集を読み漁るうちに、人々の胸を打つ言葉には法則があると気づいたのだとか。

そのノウハウがぎゅっと詰まった著書『伝え方が9割』から、ここでは7つのテクニックを学んでみよう。