レイフ・ファインズ(左)とハリス・ディキンソン (C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織“キングスマン”。スタイリッシュな英国紳士が、ド派手で超過激なスパイアクションを繰り広げる大人気シリーズ『キングスマン』(15)と『キングスマン:ゴールデン・サークル』(18)。世界中で大ヒットを記録し、日本でも熱いファンから支持を集める本シリーズの最新作『キングスマン:ファースト・エージェント』が12月24日(金)のクリスマスイブに日本公開を迎えた。

 公開に合わせて、「ハリー・ポッター」や「007」シリーズのレイフ・ファインズと『マレフィセント2』(19)で人気者となった若手注目株のハリス・ディキンソンという、父子を演じた2人からのコメントを紹介する。

 今回2人が演じたのは、キングスマンの礎を築いたオックスフォード公と息子コンラッド。オックスフォード公は戦争では平和は実現しないと考える英国貴族で、世界を混沌(こんとん)に落とし込もうとする闇の狂団によって勃発した世界大戦を前に、自らの諜報(ちょうほう)網や戦闘能力を駆使して人知れず戦うことを選択する。

 一方、息子のコンラッドは、戦争に行くことで自分の使命を果たしたいと正義感に燃える青年。オックスフォード公の考えに反し、国を憂い戦争へ行って活躍したいと願うコンラッドをオックスフォード公は必死に止めようとする。

 その理由は、ただ彼が平和主義だからということではなく、実はコンラッドが幼い頃に妻を亡くし、それ以来自分の息子は絶対に危険にさらさないと誓ったから。だが、その思いとは裏腹に、コンラッドは考えを曲げようとしない。

 そんな中、闇の狂団はますます悪の手を広げ世界大戦は激化、世界を救うため、オックスフォード公はついにコンラッドをキングスマンの道へと誘うのだった。

 息子を守りたいが、世界の危機を前に背を向けることのできないオックスフォード公の葛藤や、ぶつかり合いながらもお互いの深い愛情が垣間見える親子の関係、これまでのキングスマンシリーズにはなかった、誕生秘話に隠された感動の父子ドラマが展開する。

 父子としてハリスと二人三脚で作品を完成させたファインズは「2人の間に絆を作っていくための助けとなるように、お互い仲良くやらなければならないのは分かっていたし、俳優として相手に触発されながら演じるやり方を模索したいというのは、お互いが感じていたことだった。俳優は、あまり話し合うべきではないということもあると理解している」とこだわりを明かした。

 続けて、「実は信頼関係というのはリハーサルや演技の中から見いだしていくべきものだからだ。リハーサルや本番の演技をやりながら絆を築いていきたいと話したと思う」と当時を振り返る。多くの会話を交わさずとも、2人は演技をする中で本当の親子のような絆を築いていったのだ。

 ディキンソンも「確かにそれはあった。あまり複雑にし過ぎたり、理知的に分析し過ぎたりしない方がいいと思う。僕たちには一緒にシーンを追求していく時間があったし、かなり自由を与えてもらえたので、2人の間には理解しなければならないことがたくさんあるとは感じなかった。現場に行って、相手のいうことに耳を傾けることによって、自然に生まれたのだと思う」と語った。

 ファインズは「私が感じたのは、ハリスと毎朝会うのがとてもうれしかったということで、彼が不機嫌だったということは一度もなかった。常に思慮深く、思いやりがあり、親切だった。ハリスこそが生まれつきの紳士だよ」とコメント。

 一方、英国のレジェンド俳優ともいえるファインズとの共演にディキンソンは「素晴らしかった。レイフはいつでもとことん集中しているが、あそこまでのレベルで集中したり、リラックスして楽しんだりというのができる人を他に知らない」と語った。

 互いを絶賛し合う2人のコンビネーションがどのように描かれているのか、ぜひ映画館で見届けてほしい。

(構成/田中雄二)

『キングスマン:ファースト・エージェント』【超過激なクリスマスプレゼント】編
https://youtu.be/y5rdXI2zHrI