一度きりの人生なんだから、ポジティブに生きなければ意味がない

岩本さんは高校生の頃に全盲となりました。元々はキャッチボールができるほどの視力を持っていながら思春期に失明した経験は、岩本さんにとって大きなショックとなったそうです。しかしその経験をバネに「何事もポジティブに捉え、行動していく」という信念を持ち、その後アメリカに移住。ブラインドセーラーとして活躍しています。今回のプロジェクトを受けて現在は日本に帰国し、辛抱さんと集中的にトレーニングを行っています。
 

「高校生で失明したとき、やはり非常にネガティブになって海に身を投げようとしたんですけど、そのときは非常に海が怖かった。でも目が見えていても、生きる意味を見失ってしまっている人はたくさんいます。

僕がポジティブに生きることで、そういう人たちに勇気と希望を与えられるかもしれない。一度きりの人生なんだから、ポジティブに生きなければ意味がない。そう思うようになり、いろんなことにチャレンジするようになりました。それが今回の太平洋横断にもつながりましたね」

そんな岩本さんの思いが、ある別のプロジェクトとして動き出しています。現在、東日本大震災でヨットを流されてしまった福島県立いわき海星高等学校のヨット部に、ヨットを贈る募金活動を行っているのです。「津波が起きたとき、このことをどうポジティブに捉えられるか考えました。子どもたちに『海はまだ君たちを待っているよ』ということを伝えたい」と語る岩本さん。今回のプロジェクトは岩本さん自身の夢だけではなく、多くの人の夢を乗せた航海でもあるのです。
 

6月に大阪から福島へ、そして福島から太平洋を横断しアメリカ・サンディエゴへと向かう長い旅。全盲のセーラーと人気キャスターという異色のコンビは、この旅を通じてどんなメッセージを届けてくれるのでしょうか。航海の様子は公式HPやTwitter、Facebookでも随時更新されていくので、ぜひチェックしてみてください。