圧倒的なバトル描写の『魔法少女リリカルなのは』

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【みどころ】
・美麗なビジュアルと徹底した視聴者サービスシーン
・大火力を持った魔法少女たちによる壮絶&痛快バトル
・マニアックな武装、戦術、組織描写

TVアニメとしての『魔法少女リリカルなのは』シリーズは『まどか☆マギカ』よりずっと歴史が古く、2004年に第1期がスタートしてから第3期までに全52話が放送されている。アニメから漫画に移行した第4期『魔法戦記リリカルなのはForce』も連載中。そしてTVシリーズをベースにした劇場アニメ2作も好評。ついに3作目の製作が発表され、まだまだ人気は健在だ。

ストーリーの基本は、まさしく魔法少女モノの正しい定番パターン。平凡な小学生・なのはが異世界からやってきたフェレットに出会い、それを追ってきたモンスターとも遭遇。言葉を話すフェレット(実は異世界の少年が化けた姿)の導きで魔法少女となったなのはは、モンスター発生の原因を断つために魔法の力で戦っていく。

こんな『リリカルなのは』が魔法少女のテンプレから大きく逸脱している点は、とんでもない超火力が飛びかう戦闘シーンの激しさからだ。この作品はいくつもの異世界があり、魔法少女に限らず大人の魔導師もたくさんいるような設定。そんな中で、なのはは我々(視聴者)の時空が生んだ天才魔法少女。愛用の魔法杖「レイジングハート」で華麗に変身して、ありあまる魔力を注ぎ込んだ砲撃でライバルたちを次々に撃沈する。戦った相手の多くは後に味方となるなど、ド派手な戦闘シーンも含めて全体のノリは少年ジャンプ的だ。

序盤こそ苦戦は多かったが、シリーズが2期・3期と進むにつれてなのはの戦闘力も急上昇。もはや常識的な魔法少女のレベルを超え、ドラゴンボールとかガンダムとかそんなレベルの戦闘を繰り広げるようになった。そのため本作のジャンルは魔法少女ではなく“魔砲少女”とも呼ばれ、またガンダムの戦闘メカ(MS=モビルスーツ)に引っ掛けて、魔法少女をMSと略するなど大火力に由来するネタで親しまれてきた。なのはの異名も公式では「エースオブエース」、ファンの間では「管理局の白い魔王」など、かわいい外見に似合わず戦闘力を強調したネーミングが多い。

なのはのライバルや仲間も、それぞれ美女・美少女でありながら凄腕の魔法使い揃い。砲撃メインのなのはに対し、魔力を秘めた大剣・ハンマー・弓などで戦う個性的なスタイルでバトルを盛り上げる。また、これも魔法少女モノの定番だが、日常の服装から戦闘用にコスチュームチェンジするシーンは光に包まれて脱衣するのが基本。全体として着替えや入浴シーンなど男性視聴者向けのサービスが豊富で“萌え”と“燃え”の両方が存分に楽しめる。