芸能生活20周年の今年、夢が最高の形でかなった
――主題歌「君のまんまが いいんだよ」も素晴らしい曲ですね。
最初の「初めて抱きしめたとき感じた はかなさ もろさ 弱さ」という歌詞で、もうウルっときてしまいました。この曲を聴くとしたら、朝いちばんや、夜の寝る前など一日のどんなシーンで聴いてほしいと思いますか?
朝も夜もどちらも合うと思います。
朝は、大人ってバタバタしていますが、人生の中で一番若いのが今の瞬間だと思うんです。今だけの、今しかできないことって、大人になってからでもあるし、遅いということはない。
夜はもやもやしたり落ち込んだりしたりしていた時、寝る前にこの曲を聴けば、「命がきらめく それだけで大丈夫」「鏡に映る姿にちょっと笑いかける それだけで世界は変わる」という歌詞で、「うん、そうだよね!」って自己肯定感がわいてくるし、リセットができそうです。
そして子どもたちには、いつでもずっと聞いてほしいですね。この曲のミュージックビデオを撮りに、しまじろうといっしょに保育園に行ったんです。
そしたら歌詞を何も見ないのに、みんなフルコーラスで歌ってくれたので、「天才すぎる!」って思いました(笑)。
子どもは気に入ると、ずっと聞いたり覚えたりしますよね。多分、小さいうちは歌詞の意味は本当にはわからないかもしれないけど、いつか自分の歌っていた歌詞の意味がわかる瞬間がくる。それってエモいですよね(笑)。
わたしの一番の夢は、芸能界に入る前から「アニメソングを歌う」ってことだったんですが、それがいつしか「子どもたちに夢と思い出を届けられるように」と、変わっていきました。その夢の形が、今回、最高の形で叶いました。
――中川さんにとって、しまじろうはどんな存在ですか?
しまじろうとは誕生日が同じ5月5日なんです。
前から知っていて毎年意識はしていたのですが、映画のオファーをいただいたときは、「キター!」って声に出して言ってしまいました(笑)。
「一生残ること」を一緒にやれるということは、これはもうディスティニーですね!
しまじろうが1988年から活躍しているということにも驚いたのですが、5歳なのにしっかり者で、友だちにやさしくできる勇気のある男の子というイメージ。パール王子が悩んだ時に、「今はちょっと見守ってあげよう」って言えるし。
ちなみにパール王子もいい子で、王子なのに偉ぶらないし、「これは、みみりんが頑張ったから、みみりんがやって」と、自分より相手を思っての行動が自然にできる子だと思います。
――しまじろうの「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」も体験されていたんですよね。
小さい時から中学生ぐらいまで、ベネッセの通信教材にお世話になっていたと思います。
いちばん覚えているのは、中学生で「進研ゼミ」から毎月届く冊子にイラスト投稿コーナーがあって、イラスト投稿するのに燃えていたことです(笑)。
同い年ですごく絵の上手い方がいて勝手に仮想ライバル視して、めちゃくちゃ絵を描いたり、いろんな画材を試したりしていました。その経験が大人になってから、今のイラストのお仕事やYouTubeなどにも生かされていると思います。