通勤時間の短縮やワークライフバランスの向上などさまざまなメリットがあるテレワークだが、快適な仕事環境は自らの手で作る必要がある。“快適”にはさまざまな要素が考えられるが、なかでも家で気が付きにくいのは「明るさ」だ。そこで今回は明るさに加えてテレワーク環境における雑音の問題を解決してくれるという、BenQのアイケアモニター「GW2785TC」と「ScreenBar Plus モニターライト」の組み合わせを実際に試し、その効果を確かめてみた。
明るさが刻一刻と変わる室内
快適に仕事をするためには適度な明るさが欠かせない。このため、JIS規格(JIS Z9110)として事務所の照度基準が設定され、労働安全衛生規則第604条にも粗な作業で70ルクス以上、普通の作業で150ルクス以上、精密な作業で300ルクス以上という基準が設けられている。事業者はオフィスの明るさをこの基準に従って設定する必要がある。
大成建設技術センターの研究によると、仕事環境の明るさは作業効率に影響するとされており、自宅であっても明るさを適度に保つことは重要であるといえる。しかしながら、今のところテレワークなど自宅で仕事する場合の明るさに関する規則はなく、各人が自己責任で管理する必要があるのが現状だ。一方で明るさは時刻、天気、季節とともに変わり、人手での調整は難しい。
生活に伴う雑音によりビデオ会議がしづらい
自宅で仕事をする際、生活に伴う雑音が発生することがある。家族が同居していれば掃除などの音や会話が発生し、一人暮らしであってもインターホンや外からの音が止むことはない。
テレワーク会議ではビデオ会議や電話会議が必須といえるが、このような雑音は会話の妨げになる。会話がうまく伝わらないと、ただでさえコミュニケーションの機会が減るといわれるテレワークでさらに意思疎通が難しくなる。
オフィスであれば会議室を利用することができ、自席であってもビデオ会議や電話会議をしていれば周りが気遣ってくれるかもしれない。しかしながら、自宅の場合は仕事のための静かな部屋を用意できない人も多い。
BenQのアイケアモニター x モニターライト
このような悩みを解決するため、BenQは「アイケアモニター」と呼ばれるモニターと、「モニターライト」と呼ばれるモニターの上に設置する照明を用意している。まずは今回試した「GW2785TC」と「ScreenBar Plus モニターライト」の特徴を解説する。
「GW2785TC」はBenQの「アイケアシリーズ」に位置づけられる、27インチ Full HD解像度のモニターだ。最大の特徴は、輝度自動調整機能(B.I.)が備わっているところにある。これは周囲の明るさと色温度を検知してモニターを自動調整する機能であり、刻々と変わる仕事環境の明るさに対応して適度な明るさを保つことが可能だ。
また、ちらつきのないフリッカーフリーとブルーライト軽減機能も備えており、これらの効果は世界的な認証機関であるTUV Rheinlandの認証を受けている。まさに「目に配慮した」モニターといえる。
さらに、こちらの声から雑音を取り除くノイズキャンセリングマイクや、相手からの音声からノイズを除去するダイアログモードを備えたステレオスピーカーを備えており、ビデオ会議や電話会議で快適な通話が可能だ。
そのほかに60Wの給電対応USB-C入力端子、モニターを90度回転するピボット機能、高さや角度の調整ができるエルゴノミクスデザインなどを備え、仕事での利用に適した高機能なモニターといえる。
明るさセンサーで自動的に調光する「ScreenBar Plus モニターライト」
「ScreenBar Plus モニターライト」はモニターの上に設置するタイプの照明器具。画面や手元を適度に照らすことで読み書きがしやすくなり、仕事の効率をアップする。スタンド型のライトに比べ、モニターの上に設置できるため限られた仕事机のスペースを節約できる。手元のコントローラーに照度センサーが内蔵されており、周囲の環境変化に合わせて常に快適な明るさを保ってくれる機能も魅力だ。
その明るさはアメリカの規格協会(ANSI)の推奨値である500ルクスに合わせているという。コントローラーにはダイアルがあり、手元で手軽に明るさや色温度を自分好みに調整することもできる。また、独自開発の光学設計により、光がモニターに反射しないのも特徴だ。ライト自体も下向きのため、反射光も含め光が目に直接入ることがなく、目の疲れを軽減できるという。
明るさ自動調整機能で目の疲れを感じづらくなった
試用してみると、GW2785TCとScreenBar Plus モニターライトの両方が持つ明るさ自動調整機能のおかげで、確かに目の疲れを感じにくくなった。室内は一般的に朝晩は暗く、昼間は明るくなるが、それに追従してモニターが自動的に明るさを調整してくれるため、常にモニターが見やすく、自らの目の調整機能を酷使しないためだろう。
また、手元で読み書きの作業をおこなう際にはScreenBar Plus モニターライトが効果を発揮した。照度センサーが手元のコントローラーにあるため、ライトの強さがちょうど読み書きに適した明るさに保たれるのだ。
下位製品の「ScreenBar モニターライト」の場合は照度センサーがライトの上にあるため、この点は上位版のアドバンテージといえる。ScreenBar Plus モニターライトの効果をより具体的に確かめるため、スマートフォンのカメラを使って照度を測定できるQUAPIX Liteアプリを使い変化を確かめてみた。被写体には色鮮やかで文字があるものとして、プリンタ用インクの箱を用いている。
まず、ScreenBar Plus モニターライトなしの場合を確認してみた。
インクの箱も含め、全体的に暗いことがわかる。この実験をおこなった日は快晴であり、南向きの窓がある部屋で13時頃に検証をおこなったのだが、それでもこの結果ということで正直驚いた。
これに対し、ScreenBar Plusライトを使った場合は、大きな違いがあるのがわかる。
プリンターの箱はもちろん、机自体も明るくなっており、たとえ南向きの窓がある部屋であっても設置の効果があるといえる。体感的にも文字がくっきり読みやすくなり、疲労が少ないように感じた。デスク全体を比較すると大きな違いがわかる。
モニターライトを付けた場合、机の上全体が明るくなっている。一方でうたい文句通りモニターへの光の反射は感じられない。ScreenBar Plus モニターライトの消費電力は最大で5Wと小さい。12時間使い続けても電気代は最大でも約1.5円だ(電気代を1kWhあたり25円とした場合)。自動調整機能で明るさが抑えられれば消費電力はより小さくなる。
生活音がビデオ会議に入り込みづらくなり顔色も改善
次にビデオ会議でこれらの機器の効果を確かめた。GW2785TCには前述の通り内蔵マイクにノイズキャンセリング機能がある。設定から効果の強さを調整することができるのだが、今回は「中」に設定した。
それなりに雑音のある環境でビデオ会議をおこなったが、会議をしていた相手に確認したところ声が常にしっかりと聞き取れたという。細かいことだが、GW2785TCにはマイクON/OFFのボタンがモニターの下にあり、簡単にミュートできるのも便利だ。
また、相手からの音声を聞き取りやすくするダイアログ機能も使ってみると、より快適に会話ができるようになった。
さらに、ScreenBar Plus モニターライトを付けることで、顔が少し明るくなりビデオ会議に映る顔色が良くなった。 ScreenBar Plus モニターライト本来の使い方ではないが、カメラ映りが良いと相手に好印象を与えるともいわれており、特に顧客とのビデオ会議で役立つかもしれない。
組み合わせ時の設置や調整も簡単
設置についてはライトをモニターの上に乗せ、電源をUSBポートにつなぐだけだ。いずれも同じメーカーの製品なので、親和性が高く、簡単かつ確実に設置・調整ができる。
モニターの裏側に当たる部分に適度な重さがあり、安定性が高く軽く触れただけで落ちることはない。角度調整機能を備えているので、照らす場所を細かく調整することもできる。
要望があるとすれば、ライトを設置しやすいよう、モニターに給電用のUSB Type-Aがあるとなお使いやすい。また、せっかくここまで音にこだわったのなら、モニターあるいはモニターライトに高性能なWebカメラを内蔵してもらえるとより便利だ。
明るさと音にこだわったモニター×照明でテレワーク環境を改善しよう
自宅での仕事がはかどらないと感じている場合、実はその原因は仕事環境の明るさかもしれない。オフィスよりも暗い環境になっているために目が疲労し、効率が落ちている可能性があるのだ。BenQのアイケアモニターとモニターライトを使えば、部屋や外の明るさにかかわらず自動で仕事環境の明るさを適度に保つことができるため、目に優しい仕事環境を実現できる。
また、モニターに内蔵されたノイズキャンセリング機能付きマイクやスピーカーのダイアログモードを使えば、ビデオ会議や電話会議での会話がしやすくなり、テレワークの課題の1つであるコミュニケーション不足の解消につながるかもしれない。
「スペースの確保が難しいから小さいモニターを設置したい」といったニーズには、一回り小さい24インチのGW2485TCもある。自宅に快適なテレワーク環境を作りたいと考えているなら、BenQのGW2785TC/GW2485TCとScreenBar Plus モニターライトの組み合わせは有力な選択肢の1つといえる。