人事を続けていると、いろいろな出来事に遭います。楽しいことも、そして辛いことも。

内定時に握手までしてこれからがんばりますと言っていた学生が、内定式間際に他社に行くと辞退してきたりするのは序の口。入社した社員から、人事はあれだけいいことを言っていたのに内情が違うと苦情が親御さんからあったり。

しかし、世の中にはもっと悪辣な人間がいます。
今回はいままであった就転職にまつわる詐欺の手口を公開してしまいます。
 

1. (新卒学生向け)詐欺まがい就活塾

学習塾のように、就職活動にも塾(就活塾)が存在します。これがくせ者で、入塾金に高いお金を払った割には、ろくな指導も受けられない詐欺まがいの就活塾が数多く存在します。この就活塾、当然開業・運営するのに免許も資格もいりません。町中の学習塾と同じで、規制する法律がないのです。

就活塾の主な内容に模擬面接・エントリシート(ES)添削・就職相談がありますが、詐欺就活塾は、「ここがだめ、こうするといい。あるいはブレーンストーミングで、自分の答えを導き出す」などの指導が当然はいりますが、詐欺就活塾は人事未経験者(面接もしたことがない)人物が講師を務めていたり、ESの添削に、裏でなんと「大学3年生」つまり同級生や下級生をつかっているところもあります。

表向きはいかにも人事経験豊富「そうな」人物が塾の良さを語りますが、かならず内情を把握するため、かならず一回は無料体験を受けてください。無料体験がないところは怪しんだ方がいいでしょう。
 

「詐欺就活塾を見分けるポイント」

○入塾金が高く、模擬面接や就職相談の料金が安い。
(本当にサービスに自信があるなら、入塾金は最低限、実際のサービス利用に対してアドバイス料金がかかるのが普通の姿です。)

○大企業や有名会社の就職した塾生の人数をやたらアピールする。
(大企業や有名会社に本当にその塾のカリキュラムのおかげでは入れたのか、調べるすべがありません)

○ES添削をその場で実施せず、回収され、あとで赤ペンが入って帰ってくる。
(これでは、だれが添削しているかわかりませんし、なぜそう添削したのかわかりません)

○講師陣の紹介で、ほとんどの講師が、すべて大企業・有名企業出身となっている。
(これでは、大企業・有名企業以外を狙う場合に対応できません。どこ出身ではなく、どんな経験を積んできた講師なのかが重要(特に人事経験)です。また人それぞれの価値観はあると思いますが、大企業や有名企業をスピンアウトして、就活塾の講師になっている人は、何か理由があって辞めているのです。もし会うことが出来たら、なぜ辞めたのかを聞いてみると良いでしょう)

○入塾説明会の際、個別の説明がない。
(大抵の就活塾の場合、多人数で塾の概要を説明した後に、それぞれの入塾希望者の就職先希望に基づいて、個別に塾の体制を説明するのが普通です。希望業界が○○業界なら、それに一番近い講師がカリキュラムを説明すべきです。)

○インターネットでその塾の名称を検索すると、評判が悪い。
(これは論外でしょう。評判が悪いところにわざわざお金を使うことはありません)


代表的な6つのポイントをあげましたが、それ以外にも「創立してどれくらいたつのか」「就職活動にどう考えても役に立たなそうなカリキュラムがないか(例 1週間 寺での修行など)」、などなど、いろいろチェックできるポイントはあります。

現状、ざっと見回してもまともな活動をしている塾は5件に1件くらいでしょうか。焦らず、説明をじっくり聞いて、本当に役に立つのかを自分の目で確かめる必要があります。