「東京、まだいけるか!」(智)
そして、毎年恒例で七夕に開催している結成記念日を飾るアニバーサリー・ライブは、今年は早々にソールドアウト。夏のツアー、アルバムツアーでは渋谷公会堂決定の報告にファンは沸く。
「先のことよりも今日なんで、もうあとちょっとしか時間がないんでね、バロッカーの皆さんもvistlipのファンもひとつになって楽しんで終わりましょう、いいですか! 暴れようぜ!」(智)
フロアに投げかけられた叫びと同時に、再び轟音が鳴り響く。『GLOSTER IMAGE』でスタートしたライブ後半は、ハードコア・パンクばりのさらなるスピード感に乗ってメンバーもファンもヘドバンをかましまくる。「東京、まだいけるか!」(智)。『HEART ch.』から『偽善MASTER』へと加速は止まらず、ラストは『LION HEART』でメンバーのテンションが爆発する。海はステージ中央でマイクを手にラップを突き刺し、「聞こえねぇなオイ!」とファンのリアクションをさらに煽る。ファンはそれに応えて拳を突き上げ、ラウドに、かつメロディアスに、<reversion fruits>の自身の最後の瞬間を飾って大歓声を浴びた。
バロック、自由な音楽観でSHIBUYA-AXを圧倒!
vistlipが作り出した熱気に包まれるSHIBUYA-AXに、強烈なディストーション・サウンドとキック・ドラムが続いてゆく。そのリズムにファンがハイテンションな手拍子を重ねる中で、ステージ前で並び立つ怜と圭。そして、圭は颯爽と右手をかざし、怜は両手を打ち、『魔女と林檎』でバロックのライブは幕を開けた。<蒼い星のパレットには 無数の夢が在る 片道の列車で さぁ走り出そうか……>。クリーン・トーンのギターが雄大に広がり、エモーショナルなボーカルがそこへ重なり、ビートは躍動感を増していく。その美しく、かつ躍動感たっぷりなオープニング・シーンに、その場にいた誰もが目を奪われたに違いない。
「さぁ、今日、最高の一日にしよう……。いけるかい! いけるかい!」(怜)