最近やる気が出ない。ストレスがなかなか解消できない。趣味が楽しめない。常におびえているなどの症状が現れて、病院にいっても、「一時的なものでしょう」といわれるか、「うつ病」と診断されて、抗うつ剤が処方されるケースが非常に増えているようです。

うつの原因は脳内ホルモンのバランスの乱れが原因の一つといわれていますが、記事『眠気、ストレスが簡単にとれる! 幸せ物質「セロトニン」の増やし方』 [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/13202 ] で紹介されている「セロトニン」も脳内ホルモンの1つです。

もちろん脳内ホルモンはいろいろなものがありますが、今回紹介するのは、「ノルアドレナリン」という脳内ホルモン。「アドレナリン」は何となく知っているけど、ノルアドレナリンって何?と思われる方も多いと思います。それだけ知名度の低い「ノルアドレナリン」具体的にどんな働きをするのでしょうか。
 

「ノルアドレナリン」の働き

ノルアドレナリンは、セロトニンが「幸せのホルモン」といわれているのに対して、「怒りのホルモン」といわれています。また「警告ホルモン」ともよばれ、「脳内の危機管理センター」の役割を果たすともいわれています。その理由は、ストレス等を受けて、怒りを伴う興奮状態となり交感神経が副交感神経より優位になると脳内に放出されて、覚醒・集中・判断力の向上・やる気・痛みの軽減などの効果をもたらすからです。

しかし、その「危機管理センター」もバランスが大切です。ノルアドレナリンが過剰に放出されると、ナチュラルハイ(躁状態)・意味なき怒り・血圧上昇・血糖上昇につながってしまいます。つまり危機管理センターが危機に過剰反応してしまっているということです。

また不足すると、無気力・無関心・意欲低下・判断力低下・寝過ぎなど、うつ状態に陥ってしまいます。これもやはり危機管理センターが、本当の危機なのに、危機を回避する方策をとろうとしない状態になってしまっているということです。

特に怖いのがノルアドレナリンの放出バランスが崩れると、ストレスフル状態での正しい判断(闘うべきか、逃げるべきか)ができなくなってしまい、ストレスフル、つまりどうするんだ!と迫られているのに、過剰な自信や過剰な逃避行動によって、間違った判断をしてしまうことが多くなることです。その結果、衝動的に自殺を試みてしまったりするなど、取り返しのつかない事態を引き起こすことになります。