実際の家族と家族役で共演

撮影/小嶋文子

――一方で家族とのシーンはシリアスな場面も多かったですが、今回、サーリャの家族役は実際の莉菜さんのご家族が演じられているんですよね。

最初はすごく恥ずかしかったです。演技してるところは見せたくないなって。やっぱり家族に見られるのは緊張するしドキドキするし。

でも家族4人でラーメンを食べるシーンを褒めてくださる方が多くて。撮影をしているときは何も思わなかったというか、演技だけど家族として普通に話している感覚だったので、自分でも完成した作品を観て、こんなほっこりするシーンだったんだと。そこは本当の家族だからこそ出せた雰囲気もあったのかもしれないと思いました。

演技しながら恥ずかしいって思ってしまったシーンもあったんですけど、完成作を観てみると意外に自分がすごく落ち着いて演じられていたんだな、と気づくところもあって。私としては家族と演じられて良かったのかな、と思っています。

――すでに出来ている家族関係が映像からも出ているのかもしれないですね。

演技をしていて恥ずかしかったですけど、家族であれば受け止めてくれる、という安心感もあったので。その感覚が自然と出ていたのかもしれないです。

私たち家族にとってこの作品は本当に一生の宝物になりました。

©︎2022「マイスモールランド」製作委員会
©︎2022「マイスモールランド」製作委員会

――実際の家族関係はどんな感じなんですか。

すごく仲がいいです。サーリャの家族もそうですが食事も一緒にするし、とにかく話が絶えないです。父はずっとギャグを飛ばしてて、弟がそれに「面白くない」ってツッコんだり(笑)。弟はハキハキものを言うタイプで、自分でもギャグを言ったりします。

妹は演じた役と似ているというか、自我が強くて強気なところがありますね。けど私とは趣味も合うし、ノリも良くて、一緒に居て楽しいです。母はちょっと天然なのかな、すごく面白い人で。

私自身はすごくいい家族だな、と思っていますし、家族と過ごすのが好きです。

――撮影を終えて無事に完成し映画を観たとき「役を演じ込むことが大変だった分、大きな達成感がありました」とコメントされていましたね。

1ヶ月間くらい毎日のように撮影があったし、出演シーンも多かったので、大変だったな、と思う部分もあるんですけど、演技することの楽しさや、自分がここまで演技に興味があったんだ、と知るきっかけにもなって。「また演技がしたいな」とすごく思っています。

達成感というよりはそんなふうにして撮り終えた作品がこうやって無事に皆さんに観ていただけるような状況になって、「最後まで出来て良かった」という安心感に近いのかもしれないです。

たくさんの方々と一緒に作り上げた、私にとって本当にかけがえのない作品になりました。

撮影/小嶋文子

――改めて感じた演技の楽しさとは?

私が感じたのは普段の生活では経験できないないようなことができたり、なりたくてもなれないような人になれたりするのは演技だけだと思っていて。

今回は現実的で私自身と共通している部分が多い役ではありましたけど、例えば、スーパーヒーローとか、アニメの実写化とか、絶対になれないものになれたらすごく面白そうだな、と。

自分ではない人になる楽しさを知った今、私はまだ経験したことがないので、自分がなりたくてもなれないものとかに挑戦してみたいな、という気持ちがあります。特殊能力が使える人とか、あとは悪役とかも興味があります。

――恋愛もののヒロインはどうですか。

えー!(笑)。どうなんだろう!? やってみたい……もちろんやってみたいんですけど、緊張して照れちゃいそうですね。でも機会をいただけるのであればやってみたいですし、本当にいろんな役柄に挑戦してみたいって思っています。