スマホ比率は9割超えに(出典:NTTドコモ モバイル社会研究所 2010年-2022年一般向けモバイル動向調査)

総務省が4月15日に公表した「マイナンバーカードの機能のスマートフォンへの搭載第2次とりまとめ~デジタル社会の新たな基盤の構築に向けて~」によると、まずは令和4年度中(23年3月まで)にマイナンバーカードの機能(公的個人認証サービス)のAndroidスマートフォン(スマホ)への搭載を目指し、iPhoneについても早期実現を目指す。NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、15歳~79歳のスマホの所有比率は今や94%に達し、検討中のマイナンバーカードの機能(公的個人認証サービス)のスマホへの搭載は、残り6%の層に対し、従来型携帯電話からスマホに買い換える動機づけの一つになるだろう。

デジタル社会の基盤は「マイナンバーカード+スマホ」に

マイナンバーカードは、対面でもオンラインでも安全・確実に本人確認を行えるデジタル社会の基盤となるツール。その根拠となる公的個人認証サービスのスマホへの搭載が実現すると、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を申し込むと「マイナポータル」上で取得できる「薬剤・健診情報」がスマホでいつでも確認可能になる。従来の紙の「お薬手帳」の記載内容が手軽に確認できるだけではなく、医療機関・薬局で提示する健康保険証と連動するため、処方された薬の情報が抜けなく記録され、利便性は飛躍的に向上する。

マイナンバーカードを作るメリットの一つ、「コンビニ交付サービス」もスマホだけで可能になる予定。マイナンバーカード機能を搭載したスマホの「健康保険証としての利用」については検討中としている。

さらに、民間サービスとの連携を進め、従来の対面・書面申込(+運転免許証などでの本人確認)やオンライン申込+eKYC(顔・身分証明書の撮影)に代わり、マイナンバーカードの機能(公的個人認証サービス)を搭載したスマホがあれば、発行したスマホ用電子証明書を利用して、今まで以上にオンラインで手軽に本人確認必須のサービスを申し込めるようになる。

スマホ用電子証明書のユースケースとしては、銀行・証券口座開設、キャッシュレス決済申込、携帯電話(通信契約)の申込、住宅ローン契約などを想定しているという。コンビニ交付サービス、各種民間サービスのオンライン手続きの対応予定時期は、23年3月末以降順次。

他にも、NHKの受信契約、ETCマイレージサービスの申込、月極駐車場の契約、転売禁止の各種チケットの購入などが、マイナンバーカードによる本人確認で手軽に可能となれば、入会・契約のハードルが下がるはずだ。少なくとも現在、本人確認書類として、運転免許証や住民票の提示を求めている手続きは、原則、マイナンバーカードまたはマイナンバーカードの機能を搭載したスマホによるオンライン本人確認に置き換えるべきだろう。

お薬手帳のほかにも、紙の台帳や書類から、全てオンライン上で完結するデジタル管理に移行すると便利なサービス・手続きは多数あると思われるので、5月8日までの連休中にぜひ考えて欲しい。(BCN・嵯峨野 芙美)