『魁!!男塾』に“昭和の美学”を学べ!

『魁!!男塾』
宮下 あきら(著)
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昭和的な部分をどうやって攻略するかが、団塊ジュニア世代と上手に付き合うためのカギとなりそうだ。どのようにアプローチすればいいのでしょうか?

「過激なスパルタ教育を施す私塾“男塾”に在籍する塾生たちの根性と友情、死闘を描いた『魁!!男塾』は、団塊ジュニア世代が持つ“昭和の美学”を象徴する作品。理不尽なしごきにも耐え、乗り越えていく剣桃太郎や塾生たちのように、過酷な状況を根性で耐え抜いてきた団塊ジュニア世代だから、情に訴えられると弱いところがありますね。がんばりを見せてくれると好感を抱きやすいです」

『魁!!男塾』といえば、障害物があっても迂回することは許されず、家屋や壁を破壊しながら、ただ一直線に進む「直進行軍」や、油で満たしたタライに火をかけて、笹舟に浮かべたろうそくの火が消えるまで、そこに浸かる「油風呂」など、かなり理不尽で過酷な訓練が有名。平成育ちのプレッシャー世代に、そこまでの根性あるがんばりを見せられるか、自信がないのですが……。

「上司が残っているときにサッと帰ってしまうのではなく、『なにか手伝えますか?』とひと声掛けてくれるだけでいいんです。義理人情的なところをサラッと見せられるとグッときます。ただし、わざとらしいアピールは逆効果。現代人的なクールさも持ち合わせている世代ですから、押しつけがましさを感じてしまうと、いろいろ勘ぐってしまいます」

できる範囲内で、自然に、“アツく”がポイントですね。

 

ウォーズマンに“挑戦する勇気”を学ぶ

『キン肉マン』
ゆでたまご(著)
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そのほかにも、プレッシャー世代が団塊ジュニア世代と付き合ううえで、気をつけるべきことは?

「団塊ジュニア世代は、中高校生のときには“受験戦争”と呼ばれるほど熾烈な競争を、社会人になった直後にはバブル崩壊後の不景気を経験しています。“転ぶ”ことを経験してきた団塊ジュニア世代にとって、失敗を恐れるあまり、過度に慎重なプレッシャー世代の姿はもどかしさを感じます」

“転ぶ”ことに慣れていないプレッシャー世代には、『キン肉マン』のウォーズマンに“挑戦する勇気”を学んでほしいと、岩崎さんは話す。

「ロボ超人・ウォーズマンは超人強度100万パワーを誇る無敵の超人として登場し、闘いを経て、キン肉マンたちの仲間になります。彼の超人強度を超える者はなく、彼も自分の超人強度が最大だと思っていた。ところが、それを10倍も上回る、超人強度1000万パワーのバッファローマンが現れ、闘うことになるです。負けるとわかっている闘い。それでも、彼は勝負を捨てずに、最後まで必死に闘います。ウォーズマンはバッファローマンに敗れましたが、最後まで全力で闘い抜いた姿は、多くの団塊ジュニア世代がヒロイズムを感じました。だから、失敗を恐れて立ち止まるよりも、転ぶ姿を見せた方が好感度は高いですよね」
 

好きなキャラクターを聞けば、上司を理解できる!?

『北斗の拳』
武論尊 (著)、原 哲夫
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なるほど。団塊ジュニア世代の攻略法がわかってきました! でも、どの世代にもなかなか会話のキッカケを見つけられない相手がいますよね。そんな上司とは、どうやってコミュニケーションをとればいいのでしょうか?

「『週刊少年ジャンプ』に連載されていたマンガで、なにが好きだったかを聞いてみてください。団塊ジュニア世代なら必ず、お気に入りのマンガがあるはずです。もしも、読んだことがないマンガが答えで返ってきたとしても、『どんな話なんですか?』と聞けば、きっとアツく語ってくれますよ」

上司が好きだと答えたマンガを読んでおけば、後日、会話するときのネタにできますね。

「もう一歩踏み込んで、上司に好きなキャラクターを聞いてみるのもいいですね。好きなキャラクターはその人の思考や憧れが反映されていることが多いです。なぜ好きなのかを聞けば、その上司の攻略法を立てやすくなるはず。たとえば、『北斗の拳』のラオウが好きな上司だったら、『正々堂々とぶつかるのが一番だな。失敗したときには言い訳をしないで、正直に謝ろう』とか。何を考えているのかわからなかった上司も、『週刊少年ジャンプ』のマンガをキッカケに理解できるようになるはずですよ」

団塊ジュニア世代が読んでいた、1980年代の「週刊少年ジャンプ」連載作品は、ここで紹介したほかにも、『ドラゴンボール』『ジョジョの奇妙な冒険』『聖闘士星矢』など、名作ぞろい! マンガを楽しみながら、団塊ジュニア世代の上司攻略法を探ってみてはいかがでしょうか。


 

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