「去年、地元でも知る人ぞ知るという山奥の滝に友人たちと出かけました。
曇り空だったせいかあまり人がおらず、きれいな景色に美味しい空気を楽しめました。
結構な勢いで流れ落ちる滝は低音がすごく響いて、『ちょっと怖いね』とみんなで話していたのですがせっかくだからとそこでも背景にして順番に撮りました。
デジカメなのですぐ確認でき、ある友人を収めたときに写りを見たら、首の後ろに黒い影ができていて。
カメラを向けているときはこんなものはなかったし、『あれ?』と思ってよく見たら、友人の肩に手を置く人の形に見えました。
その子に見せると『逆光じゃないのに何だろう?』ともう一枚撮ることになったのですが、確認してみたら今度はきれいに写っていてほっとしました。
ところが、先に撮った一枚を見たら、今度は影が消えているのですよね……。
びっくりして『さっき、黒いのあったよね!?』と友人と騒いでしまい、ほかの友人たちにも話してそれまで撮ったものを確認したけど、おかしなやつは一枚もなくて。
『……』
でも、『気のせいだよ』とはどうしても言えなくて、その子と無言で顔を見合わせていました。
何となく怖くなりそれからすぐ滝を離れたのですが、ネットで調べてみても霊が出るみたいな噂はなくて安心したのですが……。
『滝など水が流れる場所はおかしなものが寄ってきやすい、精神的に弱っている人間の近くに来る』と書かれた記事を読んで、背筋が寒くなりました。
黒い影が写っていた子は、彼氏と別れたばかりで落ち込んでいたのですよね……」(女性/28歳/インストラクター)
観光で向かった先で写真を撮るのはよくあることですが、ふと映り込むおかしなものの存在は、不意打ちだからこそ怖いですよね。
それが何かはっきりわからなくても、「さっきまで確かにあったのに次に見たら消えている」ことが異常。
不可解なことは、掘り下げすぎると余計に“寄ってくる”かもしれません。