上野通明

~ららら♪クラシックコンサートVol.14「クラシック界 期待のヴィルトゥオーゾ」出演に際して~

NHK Eテレの音楽番組「ららら♪クラシック」のわかりやすさと楽しさはそのままに、司会の高橋克典が案内役を務め、一流の音楽家による生演奏が聴ける「ららら♪クラシックコンサート」。第14回目となる今回は、「クラシック界 期待のヴィルトゥオーソ~国際コンクールの受賞者たち~」と題し、国際コンクールで入賞を果たした世界に飛翔する日本の若手演奏家6名がアンサンブルの妙技を繰り広げます。出演者のひとり、昨年のジュネーブ国際コンクール(チェロ部門)での優勝が大きな話題となったチェリスト、上野通明さんにお話を聞きました。

――チェロを始めたきっかけを教えてください。

小さい頃、家族でヨーヨー・マが演奏するバッハの《無伴奏チェロ組曲》のビデオを観たことを今でも鮮明に覚えています。その印象がとても強く、小学校の卒業文集で将来の夢は“チェリスト”と書いていたみたいで、当時から一生チェロを弾いていたいという思いがあったのだと思います。

――昨年のジュネーブ国際音楽コンクールについて、セミ・ファイナルで披露した1時間にも及ぶプログラムは全て初めて取り組む作品だったのだとか。

デュッセルドルフで師事している、ピーター・ウィスペルウェイ先生と相談しながら決めましたが、当初先生からはリスクが大きいのではないか、と言われました。しかし、コンクールの要項に「奏者のオリジナリティーを求める」という一文があったのです。そこで、個性を発揮するには自分のやりたいことを素直にやるほうが良いと思いました。

――コンクール優勝前と後で何か変わったことはありますか?

普段あまり自信がないほうなので、前よりも多少自信がついた気がしますが、大きくは変わってないように思います。コンクールをあまり意識しすぎなかったのが良い結果に繋がったのかもしれません。

――公演にあたっての意気込み、またお客様へメッセージをお願いします!

今回ご一緒する皆さまは素晴らしい方々ばかりですので、共演できるのをとても楽しみにしています。
また、音楽は文字通り “音を楽しむ” ものだと思います。お客様には僕らが作り出す会場の雰囲気や音の色彩感を感じながら、音楽に身を委ねていただけたら嬉しいです。
(文・北山奏子)