お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんな知識をファイナンシャル・プランナーのヤマサキさんが紹介します。今回は「ブラック企業から自由になるコスト」のお話。
ブラック企業の本当の問題は、そこを辞めたあと生活がままならないため、「辞められない」こと。これは自分が解決するしかない問題です。
しかし、45万円貯めればブラック企業から自由になることができるのです。
ブラック企業の本当の問題は「辞めたあと」
ブラック企業と呼ばれる会社の話題がちょっとした流行です。国会でもブラック企業の話題が出るくらいですから、もはやネットの流行語を超え、社会問題になりつつあります。
筆者はお金の専門家であるファイナンシャル・プランナーとして、働き方や稼ぎ方についてもコメントをする仕事ですが、ブラック企業については「実は、自分の問題でもある」ことを2つほど指摘しています。
ひとつは「自分の能力不足や能力向上のチャンスをブラックと置き換えてはいないか」という点です。
元々新入社員の給与は会社への貢献度合い以上の金額であったりします。年収が低い状態でも仕事のスキルを身につけるチャンスと考え、将来そのスキルが評価されれば、低年収のキツイ仕事は割が合うかもしれません。この点を見誤ると個人のキャリア的に大きな損失になります。(もちろん、将来も報われる可能性がないならブラックです)
もうひとつは「辞める自由がある限り、真のブラックとまではいえない」という点です。本当に問題があるのは強制労働の状態から逃げられないことです。ホリエモンもTwitterで「ブラック企業がイヤなら辞めて起業すればいい」という趣旨の発言をして、ちょっとした炎上になりましたが、私は堀江氏に同意です。
個人が起業してみると、ブラックな労働環境と文句を言っている余裕はないほど苦労します。自分が食うために働くことは結構大変なのです。そして、辞めさせてくれない会社はほとんどありません(この場合、労働基準監督署に通報すればすぐ辞められるでしょう)。
堀江氏に少し補足するポイントをあげるとすれば「辞められない理由が、自分に金がないから」という状態についてです。起業以前に会社を辞めて暮らしていけない場合、ブラックであろうと働き続けるしかありません。ブラック企業から抜け出せるかどうかは、実は個人の財布の問題でもあるわけです。