「キャンプに出かけたときに体験した怖い話。
そこは昔からある古いキャンプ場で、近くに有名な企業がきれいなキャンプ場をオープンさせてからは、利用する人が少なくなっていました。
今のキャンプ場って、区画が整備されているのはいいけどお隣さんと近いじゃないですか?
他人の気配がするのがストレスなので、僕にとってはそういう寂れた場所のほうが過ごしやすいのですよね。
その夏も、ひとりでのんびり夜空でも見ようと思いテントやテーブルなどを用意して出かけました。
ブルートゥース接続でスマートフォンの音楽を流せる小さいスピーカーを買っていたので、それも持っていったのですが……。
テントを張る場所では近くに人が見えず、一応気を使ってスピーカーの音量は下げて好きな曲を流し、椅子やテーブルなどを出していました。
晩ごはんはレトルトのカレーで済ませ、淹れたてのコーヒーを飲んでゆっくりしていたら、突然スピーカーが止まって。
しっかり充電したし、『途中で電源が切れるなんて今までなかったよな』と思いながらスピーカーを見たら、電源マークは光っていました。
じゃあスマホの不具合かと思ったら、こちらも曲は流れたままで音だけ出ていない状態。
どういうことかわからず首をかしげていたら、スピーカーから突然『ガガッ』とノイズのような音が出ました。
音量は下げていたのにびくっとするくらい大きな音で、慌てて取り上げてみたらまた『ガー』『ガガッ』と流れ、うるさいので電源を切ろうとスイッチを押し込むけれど、反応しなくて。
スマホのアプリを落としても音は消えず、スピーカーも操作がきかなくなって、もう帰ろうとバッグの底に押し込んで大急ぎで帰り支度をしました。
周りに人はいなくて自分だけ、ザーという雑音が途切れ途切れに聞こえてくるのが本当に怖かったです。
一晩中あんなノイズを聞かされるのはたまらないと思ったけれど、クルマで走り出してからふと耳を傾けると、スピーカーからの怪音は消えていました。
スマートフォンはクルマのオーディオとちゃんとつながって曲が流れ、あそこにいたときだけおかしかったのですよね……」(男性/36歳/公務員)
突然狂うスピーカーは、原因がわからず操作を受け付けないのが怖い点。
スマートフォンに接続されたままなのに、音楽以外の「何が」流れているのか、想像するとぞっとします。
ソロキャンプのように周りに人がいない状況は、何かあってもすぐに助けを呼べないことをこんなときに思い出します。
一刻も早くその場を離れるしか選択肢はありません。

























