蒼井翔太(左)と鈴木勝吾

 童話「オズの魔法使い」の物語をベースにした、ミュージカル「DOROTHY~オズの魔法使い~」が、8月20日から東京で開幕する。田尾下哲による新たな世界観と宮川彬良の書き下ろし音楽によって、新作ミュージカルとして生まれ変わる本作は、「音楽が支配する魔法の国」での冒険物語。かかし役をWキャストで演じる蒼井翔太と鈴木勝吾に、本作の見どころや公演への意気込み、さらには本作のキーワードにもなっている“音楽”への思いを聞いた。

-出演が決まったときの心境を聞かせてください。

蒼井 僕自身ミュージカルの場数は決して多くはありませんので、今回もしっかりと勉強させていただきながらも、精いっぱい演じなくてはいけないなと思っています。もちろん喜びもありましたけれども、その分、大きなプレッシャーもありました。

鈴木 僕は、シンプルにすごくうれしかったです。とても素晴らしいクリエーターの皆さん、そして一緒に作っていくプレーヤーの皆さんが集まっている作品で、すごくありがたいと思い、受けさせていただきました。

-蒼井さんと鈴木さんという、全く印象の違う2人がWキャストで、同じかかしという役を演じるというのも楽しみです。

蒼井 自分で言うのもなんですが、多分、蒼井翔太とWキャストになると、どなたであっても印象が違うとなるとは思います(笑)。先日、しょごくん(鈴木)とは、声優のお仕事でも共演させていただきましたが、演じる役の奥にある、その人物を作る背景までしっかりと落とし込んで演じている印象があり、演技への強い思いを感じました。なので、今回、同じ役を演じられるのはすごく楽しみです。稽古では、しょごくんが、どうかかしを演じるのかをしっかりと見て、研究して、「こういうかかしが存在するんだ」と気付くことで、僕自身の演技のヒントにもなると思います。

鈴木 全く違う印象の方とWキャストというのは、僕もすごく面白いと思います。それに、(蒼井のことは)僕自身も全然違うタイプだと思っていましたが、何度かお会いして、すごく話が合うんだろうなという予感もしています。ちょっと雑な言い方ですが、すぐに仲よくなれそう(笑)。シンパシーを感じる部分が多いんじゃないかな。すごく深い交流が持てる人に出会えたなと感じています。

-かかしというキャラクターについて、今現在はどう演じたいと考えていますか。

蒼井 この作品では、かかしに限らずブリキもライオンも、気付きを与えてくれる人物になっていると感じますが、かかしは最初にドロシーに出会うキャラクターなので、特にドロシーに大きな気付きを与えたと思います。現実とはかけ離れた物語のように感じるかもしれませんが、自分たちが日々悩んでいることに対する小さな光を見つけるきっかけとなる言葉が散りばめられている作品だと思いますので、しっかりとかかしとして生きられるよう、役を作っていきたいと考えています。

鈴木 かかしもドロシーもブリキもライオンも、どこか欠けてしまっている人たちです。その4人のキャラクターが、欠けてしまった部分をどう補い合って、どう満たされて前に進んでいくか。それぞれの俳優たちが考えて作ることがリアリティーにつながるのかな、と思います。あまりこの役はこうだからとこだわり過ぎずに、お互いのバランスだったり、感情の表出の仕方を意識したいと思います。

-宮川彬良さんが作る音楽はどんな印象ですか。

蒼井 とってもワクワクします。歌稽古の段階から、体が自然と動いてしまう音楽で、こうやって歌おうと先のビジョンが浮かぶ、そんな楽曲たちでいっぱいです。

鈴木 僕もめちゃくちゃ感動しています。出会えてよかった音楽だと心の底から思います。今、この楽曲をどうやって歌うのがベストなんだろうと考えるのがすごく楽しいです。

-この作品は、音楽がキーポイントとなっていますが、お二人にとっての音楽はどんな存在ですか。

蒼井 本来ならば、出会うことがないであろう人たちに出会うことができる魔法のような存在です。今、僕は歌手としても活動していますが、歌を職業にする前からそれは感じていて、音楽のおかげで普通に生活していたら出会うことがなかった方々と出会うことができました。ある1曲、ある1人のアーティストを介して、世界から一つの場所に集まって、たくさんの人に出会うことができるというのは奇跡だと思います。なので、僕にとっては、音楽は大きな魔法のような力を持っているものです。

鈴木 僕は翔太くんのように歌手として活動しているわけではありませんが、音楽はやるものだという気持ちが強いです。自分から音楽を聞いたり、ライブに行ったりということは実はあまりなくて…。聞くより歌うのが好きなんですよ。ただ、楽譜を覚えて、教えられた通りに歌うというのはあまり得意じゃないですね。音楽は、自由に自分が楽しむものだと思うので、極端な話、カラオケで好きに歌えればいい(笑)。そういう意味では、ミュージカルはまた別のものだという意識があります。

-改めて、本作への意気込みをお願いします。

蒼井 心から、精いっぱい楽しんで演じながら、皆さんと協力して、夢や気付きを与えられるミュージカルを作っていきたいと思います。音楽を含めて、ドキドキ、ワクワクしに来ていただけるとうれしいです。楽しんでいただけますように。

鈴木 この作品は、互いに違いを認め合って前向きに進んでいくことを伝えられる作品になると思います。人と違っていいんだとか、要らないことなんか何もないということや、手を取り合っていこうというメッセージを届けられると思うので、劇場で生で味わっていただけるとうれしいです。きっとその瞬間に、肌で感じることができるものもあると思います。

(取材・文/嶋田真己)

 ミュージカル「DOROTHY~オズの魔法使い~」は、8月20日~28日に都内・日本青年館ホール、9月16日~19日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演。ほか全国公演あり。
公式サイト https://www.ktv.jp/dorothy-musical/