(左から)月船さらら、小野花梨、小澤雅人監督 (C)エンタメOVO

 映画『ほどけそうな、息』完成披露上映会・舞台あいさつイベントが16日、東京都内で行われ、出演者の小野花梨、月船さらら、小澤雅人監督が登場した。

 本作は、児童虐待や家庭崩壊など、傷ついた子どもたちを救うために奔走する児童福祉司の苦悩と実態を描く。児童相談所で働く複数の職員から聞いた実話をベースに構成された。

 主人公で児童福祉司のカスミを演じた小野は「テレビで悲しいニュースを見るたびに、こういうことは、なぜ減らないのだろうかと思っていました。その中で、この映画のお話を頂いて、私自身、勉強になることが多くありました」と話した。

 児童福祉司という職業を演じたことについては、「矢面に立って、子どものみならず、お母さんやお父さん、家庭環境までも助け船を出さなければいけない立場で、あまりにも感謝される場面が少ないなと痛感しました。こんなに愛のある職業が、何でフィーチャーされないんだろうかと、もどかしさを感じました」と語った。

 アルコール依存症で、娘への虐待を疑われている母親役を演じた月船は「虐待を疑われる側を演じてみて、一概に(虐待する親が)責められるべきではない部分もあるんだなと思いました。彼女は彼女なりの理由があったり、頑張っているけれどできない部分があって、そういった側の人間にも助けや理解が、すごく必要なんだなと実感しました」と話した。

 多くの児童福祉司に取材を重ねてきた小澤監督は「児童相談所の方々が、一生懸命仕事をしているんだと知っていくと同時に、ニュースで子どもの虐待死があると、(児童相談所が)一方的に非難されることに違和感があって、児相の方々は情報を発信できないので、映画で撮れたらいいなと思いました」と語った。

 映画は9月3日から、都内・ポレポレ東中野で上映。