4.重大なミスを犯してしまったとき

【NG対応1】報告が遅い。ごまかそうとする

桑野「ミスを犯したときにやってしまいがちなのが、報告が遅いこと。誰でも悪い報告はしたくないものですが、ミスを犯したときに最も自分を助けてくれるのは『誠意』です。

ここでいう誠意というのは、タイムリーな報告や正直さを意味します。報告が遅いというのは、『仕事ができない』という烙印どころか、『ごまかそうとした』ことにつながり、誠意のなさを問われることを頭に入れておきましょう。

【NG対応2】「○○さんに確認したんですけど…」と人のせいにし言い訳をする

桑野「さらに、若いときにやってしまいがちなのがこの第一声。つい上司や先輩の名前を挙げ、『自分のせいではない』という姿勢になることです。

これではせっかく『自分が指示したのだから彼女は悪くない』と守ってくれたであろう先輩や上司も、フォローする気持ちが失せてしまいます。まずは素直に自分のミスであると誠意を持って報告することが大切です」

5.上司からきつく叱られたとき

【NG対応1】ただ「申し訳ございませんでした」とだけ平謝り

桑野「上司から叱られたときに、ただ平謝りするのは『とりあえず謝っているのだから許してほしい』という態度に見えてしまいます。

“何に対して反省しているのか”を明確にし、“今後どうするのか”という改善策を自ら明言することが重要です。その部分があって初めて『相手への誠意』『心からの反省』という気持ちが表現できるのです」

【NG対応2】すぐに泣く

桑野「特に若い女性に多いと問題視されるのが『すぐに泣く』という行動。

泣いてしまうのは、悲しいだけでなく、悔しい、情けないという気持ちもあるかと思いますが、ビジネスパーソンは感情のコントロールも重要なスキル。泣いてしまっては、相手は何も言えなくなりますし、本人が何を考えているのか聞き出すこともできず、会話になりません。

反抗的になるのは論外ですが、泣くという行動は一方的に相手の時間を奪っていることと同じであると認識しましょう」

働く若い女性へのアドバイス!

いかがでしたか? 思わず、「これやってた!」と焦った方も多いのではないでしょうか。

でも、それだけ誰もが陥りがちなミスなのです。その解決策が分かった今日は「仕事ができる」働く女性に一歩近づいたはず!

そんな頑張るみなさんに、桑野さんは次のようにアドバイスします。

桑野「ビジネスパーソンに共通して求められているのは『主体性』です。自分で考え、自分で行動し、自分の出した結果にも責任を持つ姿勢。特に若手や女性のビジネスパーソンに足りていないと言われてしまうのがこの点です。

男性に比べて、感情表現も豊かで共感スキルも高く、コミュニケーション力が高いと言われる反面、主体性がないとビジネスにおいては『仕事ができない』と烙印を押されてしまうことになりかねません。

そして同時に、ビジネスにおいては『自分がどう思っているのかよりも、それを相手がどう受け取るのかがすべて』と理解する必要があります。どのような状況においても、周りや環境のせいにするのではなく、自分に矢印を向けること。

そして、自分の言動や行動が相手にはどのように映るのかを客観視した上で、自分の中にある『ココロ』を『カタチ』に正しく表現できているのかを見極めることが大切です。ぜひ信頼され、愛される女性を目指しましょう!」

【取材協力】桑野 麻衣(さん プロフィール

ANAのVIPサービス責任者、教育訓練担当を務め、7年間で100万人以上のお客様にサービスを行う。その後、オリエンタルランドへの出向、ジャパネットたかたでの広報・研修担当、再春館製薬所グループでの研修講師勤務を経て、独立。

現在では、新入社員から若手中堅社員を中心に、コミュニケーションや接遇マナー、人材育成、モチベーション等の企業研修や講演など幅広く活動。これまでの受講者は1万名を超える。2018年1月、クロスメディア・パブリッシングより著書『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』を発売。