夫はいつものように私の言葉など無視して足を運んでいましたが、『もう耐えきれない』と思った私は小走りで夫の前に出て、『離婚したいの』と大声で叫びました。

夫は驚いたように目を見開き、次に『何を言っている。馬鹿じゃないのか』と言うので、

『馬鹿で結構。もう耐えられないの。離婚してくださいね』

と、まっすぐに目を見ながら返しました。

私の剣幕に夫はさすがに黙り込み、私も無言でしばらく夫を睨みつけていましたね。

怒りで声が低くなっているのは自分でもわかったけれど、おそらくこんな私を夫は初めて見たと思います。

それだけ衝撃が大きかったのか、次の日から夫の態度が一変、私を見下すようなことは言わなくなり、「今がチャンス』と思った私は用意していた記入済みの離婚届を渡しました。

最終的に夫が折れて離婚が成立、今は実家に戻って母親と暮らしながら子どもたちとも交流しています。

あの夜、「これからも自分はこんな扱いを受けるのだ』と感じた怒りで体が動いたことは、今でも忘れられません」(53歳/総務)

長年積もった不満は、「一緒に住むのが夫のみ」になった瞬間に爆発します。

子どもたちのために離婚を堪えていた妻にとって、何があっても自分への接し方が変わらない夫の姿はほんのわずかももう受け入れられないのですね。

やっと手に入れた自立、新しい環境で人生を楽しむ権利は誰にでもあります。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line