成果を上げるだけでは、給料は上がらない
「労働力の価値」
=あなたが明日も仕事をするために必要なコスト
「労働力の使用価値」
=その労働者を使って得られるメリット=労働者が上げた成果
上記において、多くの人は後者だけを上げていけば給料が上がると思い込んでいるが、実は前者を上げていかない限りは給料は上がらない、ということなのだ。冒頭の「こんなに働いても給料上がらないなんて、ひどい会社だ!」という叫びは、かなり的はずれなものだったと言える。なんてこった!
「休日にフリーマーケットをやるとしましょう。出品したいものがたくさんあって、自分の車には入りきらないから、トラックを1万円で借りてきました。それに荷物をたくさん積んでたくさん売って、結果10万円儲かりました。当初予想していたよりもずっと多い儲けです。さてトラックを返しに行ったときに、トラックの持ち主から『このトラックのおかげで想像以上に儲かったんだよね。じゃあ5万円くれ』と言われたら、どう思いますか?」
トラックがいい具合に使われて業績が上がったとしても、そこで余分に給料をくださいというのは違う話。その切り分けができていないと、「いつまで経っても評価されない」「経営者は自分たちのことを考えていない」と、恨みつらみばかりが溜まってしまうのだ。
給料を上げるには、自分の「労働力の価値」を上げろ!
「労働力の価値」を上げれば、給料が上がる。ここまではわかった。でも「労働力の価値」を上げるとは、具体的にどうすればいいのだろう?
「例えば、あなたの代わりに、あなたの仕事をする人を明日連れて来なければならないとします。その時に、新しく連れてきた人をどれだけ教育しなきゃいけないか、どれだけのコストをかけなきゃいけないか。
そのコストがめちゃくちゃかかるとしたら、新しい人を連れてくるよりあなたを雇っていた方がいい、という話になりますよね。これが『労働力の価値』なんです。その積み上げを高くしておけば、ゼロから同じ人材を連れてくるとコストがかかるので、その分のコストは給料として払いますよ、となるわけです」
なるほど、たしかに筋は通っている。とは言え、仕事を通じて自分が何かを積み上げてきた、と自信を持って言える人ばかりではないだろう。今の自分には何もない……。そう思い悩んでいる人に、木暮さんは「そんなわけはない。誰でも真面目に働いていれば、なにかしらのものは持っているはずなんです」と語る。
「他人に自分の価値を見つけてもらえる人はラッキーですが、みんながそうとは限りません。その場合は、自分の価値を自分自身で見つけていかなければいけません。
ひとつの方法として、自分と同年代の友だちをイメージして、「その人がいまの自分の仕事をやるために、なにをトレーニングしなければいけないか」を考えてみてください。そうすると、他人と自分のギャップが見えてきますよ。
どんな細かいことでも頑張って見つけていくことが大事です。もし何も見つからない場合は、明日から頑張れ!って感じですが(笑)、まずは卑屈にならないで、自分を見つめて欲しいですね」