小者度4 部下の経費は認めず、自分の経費には甘い「ケチケチ上司」

小者上司はなかなか部下の必要経費を認めません。売上げの減少を隠すために小者上司が自分で考えた経費圧縮策であったりしますが、なかには自分のつかった経費の領収書は堂々と落とすのに、部下のは認めないなど。金銭がからむので、小者度でいえば4です。

「あーDくん。なんだねこの領収書は、なんでこのクライアントに行く用があったのかね」
「部長、これはあの大クレームで緊急にいったタクシー代ですが…」
「あれは、君が原因のクレームだろう。この経費は自腹で処理してくれ」

Dさんの中で沸くふつふつとした感情……確かに担当はDさんでしたが、問題の原因は上司の部長の失言だったのです。そのほかにも、「この文房具は仕事で使うのかね。家に持ち帰るなら経費じゃないよ」「なんだね。このお茶代というのは、わたしはお茶を出してくれと君に頼んだのかね」と、部下の経費申請をことごとく却下。当然部下の不満はたまります。そしてある日、Dさんはあることを耳にしてしまいました。

「Dさんのとこの部長、自分の経費はどんどん経理に申請してくるよ。もうキャバクラ代とかありえないものまで。経理部長も怒ってるよ。月末にまとめて持ってくるから、ためこんでいるんじゃないの?」

このことをDさんから部員に話すと、ついにプチーンと皆がキレてしまいました。
「待て、俺に作戦があるから」とDさん。

Dさんの部で恒例の暑気払い。今年は花火大会ということで、ある河川敷に小者部長も交えて集まりました。

「部長、今年はロケット花火30連発っていうのを考えたんです」とDさん。
「ほう…それは楽しみだな。子供の頃よくやったよ。」

そして、部下全員でロケット花火に点火! ロケットとともになにかが飛んでいきます。
…部長のため込んでいた領収書です…。

「Dくん、あれはなにかつけているのかな。なんかロケット花火にしては飛びが悪いような」
「あんたがため込んだ領収書だ!!」
「なんだと!」

一斉に逃げ去る部のメンバー、夜の河川敷を見つかるわけがないロケット花火の残骸を探す部長。そして、翌日、経理部長から社長に対して、経費の使い方について当該部長に問題ありの意見具申がされ、部長は地方に左遷。最後は自分がロケット花火のように飛ばされてしまいました。


あなたの会社にもいませんか? 小者上司。小者上司は早めに処置することが大切です。小者上司がいると、部下のためいきばかりの職場になってしまいます。上役の方も小者上司を重宝しないこと! 便利なヤツほどトゲがあるのです。

Web制作会社・人材派遣/紹介会社・広告代理店の人事総務。人の人生を決めてしまう仕事という重責に押しつぶされ、ピロリ菌に感染していた胃が真っ赤っか。社屋移転の予算がないときは、自分でオフィスの配線を行い、感電して2週間入院したことも。現在は、中小企業向け人事コンサルティングを行う。孤独で相談相手がいない社長と朝まで激論を交わしたりするが、とにかく本に書いてある理論よりも現場がどうなっているのか、どうしたいのかを聞きまくるのが楽しくてたまらない。