大会当日、超満員の会場には立ち見の観戦者の姿も

満員の観客が見守るなか、準決勝第一試合に登場したのは、強豪ひしめく世界を相手にも渡り合い、優勝候補筆頭に挙げられる古参チーム「Rampage」。2勝で勝ち抜けというルールのなか、3ヵ月前に結成した新鋭「TIME OF CLOCK」を圧倒、ストレートで下し、観客を沸かせた。

第二試合は、一転して拮抗した試合に。FPS(First Person shooter/一人称視点のシューティングゲーム)出身という「IkdYask」、「PeachServer AllStars」の両チームがチームワークとセンスを発揮し、シーソーゲームを展開するも、最後は過去の大会でも常に上位に食い込んできた強豪「PeachServer AllStars」が劇的な逆転勝利を挙げる。

そして迎えた決勝戦、手に汗握る主導権争いが展開されたが、序盤の接戦を制したのは、やはり試合巧者の「Rampage」。「PeachServer AllStars」も善戦したものの、勢いの差は歴然で、日本代表の座は「Rampage」が射止めることとなった。今回優勝した「Rampage」は、本大会の特別協賛であるロジクールより、ゲーミングキーボード「G710p」を贈呈され、世界大会本戦行きを激励された。

 

本大会に特別協賛を行った株式会社ロジクールの古澤氏から優勝賞品を受け取る「Rampage」

この日、試合を生中継した「ニコニコ生放送」では、総視聴者数91,122人(累計)、総コメント数22,300を記録。実際に会場に詰めかけた観客にも同じことが言えるが、それぞれに参加チームの戦略を分析したコメントが飛び交い、視聴者もLoLについての高度な知識を持っていることがわかった。

一方で、会場には「キャラクターがかわいいから好き!」「一試合あたりがほかのオンライゲームと比べて短いから(30~50分程度)、ライトに遊べる。ゲーム内容も理解しやすい」という女性ファンの姿もあり、また基本プレイが無料ということもあって、決してハードルが高いゲームではないこともわかる。やりこめばその先に「プロスポーツ選手」のような栄誉があり、ライトゲーマーも気軽に楽しめるのが、LoLがこれだけ多くのプレイヤーを抱えている要因なのかもしれない。

大会責任者の井上隆三さんは「初めてのLoLのオフライン大会だったが、選手たちの熱量がすごかった。他のスポーツ競技と一緒で、選手たちが熱くプレイしている姿を見て、今後のeスポーツの普及に確信を持つことができました」と語っている。

LoLの世界では、スポーツで日本のライバルになることが多い中国・韓国に加え、欧米勢が非常に高いレベルにあり、日本はまだまだ“格下”というのが現状。この冬の本大会で「Rampage」がどんなプレイを見せてくれるのか、スポーツの日本代表を応援するのと同じ気持で、その戦いに注目してみてはいかがだろう。


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はしかわ・よしひろ 1981年、神奈川県生まれ。編集プロダクションblueprint所属のライター、編集者。ビジネス・ネットサービス・グルメ・映画・音楽・コミック・ゲーム・スポーツなど、幅広い分野で取材・執筆を担当。構成を担当した書籍に『まな板の上の鯉、正論を吐く』(堀江貴文/洋泉社)、『伝説になった男~三沢光晴という人~』(徳光正行/幻冬舎)など。