“初見は無料”にした理由

【クラオカユウスケ(Gt)】

――現在、えんそくのライブは地域によっては声出しは解禁されています。

ぶう:ウチは「やっていい」ことは全部やるスタイルです。ライブハウスに都度確認して、そのルールにのっとってやっています。この日はOKで次の日はNGとか、まどろっこしいんですけど、やれるところがあるのにやらないのは、もったいないかなって。 「やれるならやろうぜ」精神です。

ミド:前に大阪でライブ中に「今日は声出しOK」と気づいたときがあって、あと2曲だったんですけど、その日はすごく盛り上がりましたね。貯めていた何年分のパワーがあった。

Joe:あの日は意図してないこともあって、お客さんの爆発力がとんでもなかったね。

――SINさん、ステージ後方から見て、そういう雰囲気は伝わるものですか?

SIN:伝わりますね。でも、別にカッコつけているわけじゃなくて、声出ししようがしまいが、自分の気持ち的には変わらないですね。もちろん声を出してくれる方が嬉しいけれど。

ぶう:SINさんは常にやることをやるだけ。それがいいんですよ。メンバーに右往左往しない人がいるのはいいですよね。ボクは状況に応じて「今日はアウェイだね」とか「お客さんが少ないな」とか色々気にしちゃってコンディションが変わるタイプなんで。だからこそ120点を出せる日もあるんですけど、同時に危うさもあるわけじゃないですか。

――空振りかホームランか的な。

ぶう:でも、ボクがコケてもメンバーが100点をとっていたら、今度はメンバーに引っ張られて、ボクも挽回できるというか。

――それは「バンド」のよさですよね。

ミド:よく言い過ぎですよ。

――言わせてくださいよ。今日は中野サンプラザ公演前に一見さんにライブを見てもらおうという趣旨のインタビューなので。「えんそくを初めて観る」と自己申告したら無料で入れるんですよね。面白い試みだとは思いますが、リスクもありませんか?

ぶう:正直、今のえんそくにとって中野サンプラザはデカすぎるわけです。じゃあ、空席の場所なら入っていいですよという。コロナ禍の間、ボクはゲーム実況配信をしていたのですが、それを経て思うのが、今は基本無料で応援したい人がお金を払うコンテンツが多いんだなと。

今のえんそくはいいライブをしている。だからおのずとお金を払って観てくれる人も増えるんじゃないかな。そこは心配していません。

【Joe(Gt)】

――バンド、ライブに自信があると。

ぶう:そうですね。それを初めてえんそくを観る人に提示できたら。なかなかホールワンマンができるバンドじゃないので、ライブハウスは敷居が高いと感じる人も、ホールなら椅子もあるし、足を運びやすいと思うんです。この機を逃さずに来てほしいです。

Joe:学校や仕事帰りとかに寄っていただいでもいいですし。

ミド:桜も咲いてるでしょうしね。

ぶう:中野通りの桜もすごくきれいですからね。

クラオカ:花見のついでに。