新しい姿をファンに見せていきたいんですよね。
守護霊:来年、再来年に自分たちがどんな曲を作ってるのか自分たちですらわからないし、今も作りたいものがいっぱいある。だからどんどん作っていきたいんです。
あとどのバンドでも、過去に出してる曲の中で特にお客さんウケが良いとかパワーがある曲って多分あるんですよ。こなれてしまう曲っていうんですかね。バンドって気づいたらそんな曲がライブのセトリに毎回あったりするんです。
僕らは、そういう曲に頼りすぎずどんどん新しい方にシフトしていきたい。リリースしたら曲と共に最新の自分達を提示していきたいと思ってます。今の自分たちに一番自信があるから。
当たり前と言えば当たり前なんですけどね。誰でも生きてると色々な感覚が狂って、気づいたら当たり前のことが当たり前じゃなくなってしまうこともあるじゃないですか。だけど僕らは、日々考え方はフラットで素直なアーティストでいたい。
これはなんの意味があるの? 誰のためにやるの? どう伝えたい? って、きちんと考えて、音楽をやっているのは好きだから。頑張れるのは大事なファンがいるから。今日早く寝るのは明日早く起きたいから。って答えを出したい。
そういう風に当たり前のことを深く考察して、物事の真髄を一度俯瞰して共有するんです。そうすると僕らの音楽が、ここにしかない音楽がちゃんと伝わる気がして。自分たちが進化していきながらファンを引っ張っていくことが、僕らだったらできるんじゃないかと思っています。
――バンド内の役割分担はどんな感じなんでしょうか。
顚仙:曲は全員で作ってるんですけど、楽曲アレンジやレコーディングとかのMIXマスタリング全般の音源系は俺で、デザイン関係とか映像、アートワーク全般はれーちゃん。吉くんは細かい会計関連とかライブの資料提出、主に俺らふたりができないお金の担当です(笑)。
守護霊:アートワークとか映像も独学すぎてめちゃくちゃなんですけど、やり続けたらなんか絶妙に形になりました(笑)。
吉一九兵衛:れーちゃんの作る物は、個性的っていうか良い意味で変なんですよ。他のバンドもみんなかっこいいアートワークを作ってると思いますけど、そもそも“かっこいい”っていうジャンルの中にしまわれちゃってるのかなって。
でもれーちゃんのアートワークはこの人にしか作れない。だからこそファンの子もばっちりハマってくれる。そこが強みなんですよ。今の意味不明なアー写(下部参照)も、初めて見たとき「こいつ天才だな」って思いました(笑)。
――MVも良いですよね。吉さん加入のタイミングで公開された「SOS」は、真昼間の路上で白塗り血まみれの皆さんがはしゃいでるという絵面が衝撃的でした。
吉一九兵衛:あれは高円寺の街が騒いでたね(笑)。
顚仙:MVは大体が高円寺でロケスタイルだね。
守護霊:基本予算がないから、なるべくお金かからない方法で突き詰めてみようと思ってやってます。
――ライブも高円寺が中心ですよね。
守護霊:そうですね。高円寺ShowBoatっていう箱でいつもやってるんですけど、ここがソールドアウトするまでは、ずっとここでいいかなと。
顚仙:変にキャパ上げしたいっていう気持ちもないんですよね。埋まったら次にいけばいいやって感じで。
守護霊:“大きい会場でライブをやる“とかより、まずは戦う武器を作らなきゃいけないと思うんです。そういう意味では、次のアルバムを出したくらいで、ようやくスタートラインに立てるのかなと。
自分たちの中にあるものもやっと少しだけ表現し終わるし、曲も色々なものが揃うからセットリストも色々組みやすくなるし。今50曲持ってるけどまだ足りないんですよ。
顚仙:100曲は欲しいですね。
吉一九兵衛:ビュッフェって楽しいじゃないですか。あんなイメージですね(笑)。
顚仙:やっぱり世の中には新しいものがどんどん出てくるから、それをガンガン取り入れて新しい姿をファンに見せていきたいんですよね。それがファンサービスになると思ってるし。
だから俺たちはリリースする度に作風が違うし、アレンジもどんどん新しいものを取り入れる。そのために色々なジャンルの音楽を死ぬほど聴いてインプットしてるし、常に面白いことを探してますね。
吉一九兵衛:ライブで音源流して3人で歌うだけの曲とかありますからね。ああいうことやってるバンドは少ないんじゃないかな。