あの名作が蘇る?『魔女の宅急便』
(C)2014「魔女の宅急便」製作委員会
原作者は角野栄子氏。魔女の家に生まれた少女・キキが、知らない土地でさまざまな人と出会って成長していく姿を描いた児童文学である。世間的にはその第1巻をベースに作られた宮﨑駿作品、ジブリアニメとしての『魔女の宅急便』が有名。そのアニメ公開から25年後となる2014年、ついに実写版のお目見えとなる。
公式サイトではPVと劇場予告動画が公開されており、本作が初主演となる小芝風花さんのみずみずしいキキを見ることができる。脇を固めるキャスト陣は浅野忠信さん、宮沢りえさん、筒井道隆さんなど安定の顔ぶれ。
脚本には『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』などを手がけた奥寺佐渡子氏、監督はなんとホラー作品『呪怨』シリーズで有名な清水崇氏だ。主題歌は倉木麻衣さんが担当する。
PVや予告動画を見たネットユーザーの反応は賛否どちらもあり、否定意見としては「キキが垢抜けすぎ」「ロケ地やキャストが日本人っぽく作品イメージに合わない」などが挙げられる。アニメのイメージがどうしても強く拒絶反応が出るのだろうか。
記者個人としては実写版も大いにアリだと感じたが、保守的な意見が出てくるのも仕方ないことだろう。それほどまでに宮崎演出、久石譲氏の音楽、ユーミンの歌う主題歌といった“ジブリ作品”のイメージは強烈すぎた。
当時の記録を塗り替えたアニメ版ほどの大ヒットが見込めるかどうかは別として、封切りタイミングが春休みを目前にした3月1日ということを考慮すれば、それなりに親子連れで賑わうのではないだろうか。
【番外編】2015年が待ち遠しい!『進撃の巨人』
こちらは2014年クランクイン、2015年公開予定ということで番外編。まだまだスクリーンで見ることができるのは先の話だが、現時点でも最高に注目度の高い“原作付きタイトル”なのは間違いないだろう。
公式サイトによると、監督は『日本沈没』『のぼうの城』などを手がけた樋口真嗣氏、脚本には町山智浩氏と渡辺雄介氏が名を連ねる。とりわけ作品イメージが似通った『GANTZ』実写版に関わった渡辺氏の手腕には注目だ。
非オタク層にまでブームを巻き起こしたビッグタイトルだけあって、すでにネットではキャスティング予測が大盛り上がり。主人公のエレン役には香取慎吾さんや生田斗真さん、ヒロインのミカサ役には剛力彩芽さんや橋本愛さん、人気キャラのリヴァイ兵長には有吉弘行さんなど多彩な予想が飛び交っている。
作品の成否を分けるのは、やはり中核にある“巨人との凄絶なバトルシーン”をどこまで日本の特撮技術で表現できるかどうかだろう。『進撃の巨人』は膨大な伏線を読み解くという要素も魅力だが、尺に限りがある劇場映画ですべての伏線をまとめることは難しい。ならばやはりアクションシーンが最大のセールスポイントになってくると思うのだ。
ことファンタジー的な世界観でのアクション描写はアニメ分野が圧倒的に有利なはずだが、あえて『進撃の巨人』を実写でやるとなったからには、必ず勝算があったはず。
公式サイト上で“特撮、VFXのみならず、日本映画の最高峰のスタッフが結集”と書かれているだけに、どれほどの作品になるかワクワクしながら続報を待ちたい。