「今、ここでバシッと叱りたいけれど、周りの視線が気になる」「誰も見ていないから、まあいいか」と、子どもをしつけなくてはいけないと思いつつ、つい折れてしまっていることってありませんか。
でも、子どもはそんな“一貫性のないしつけ”に翻弄され、戸惑っています。
どういうことなのか、『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
ついやってしまう「一貫性のないしつけ」あるある事例
食べ物編
残すor残さない
家の食事では「残さず食べなさい!」と叱り、“出されたものを残さずに全部食べる”しつけをしている。
でも、ファミレスのサラダバー、ドリンクバーで食べきれない量を取ってきて、結果残しても「取り放題で無料だから、まあいいか」とつい許してしまう。
おやつの時間
家では床にこぼさないようにうるさく注意しているが、公園では「下が地面だし、鳩や雀の餌になるからまあいいか、掃除もしなくていいし」と考え、おやつをボロボロ落としても何も言わない。
落ちた食べ物
公園で手に持っていた煎餅を地面に落とし、拾って食べようとした子ども。「下に落ちたものを拾って食べるんじゃない!」と叱る。
が、家で落とした煎餅を拾って食べても「綺麗だから、まあいいか」と注意しないでそのまま食べさせる。
お菓子の食べこぼし
バスの中で、ベビーカーに乗っている子どもにお菓子を渡す。「服やベビーカーにお菓子のカスがついたまま家に入るのは嫌だわ」と思い、バスの床に無意識にカスを払い落としてから降りている。
が、家の中で子どもが服についたお菓子のカスを払い落したら即座に叱る。
スーパーでお菓子を欲しがる
「今日は夕飯の材料を買いに行くだけだからね。お菓子は絶対に買わないからね!」と出かける前に何度も言い聞かせたのにも関わらず、「買って!買って!」と大騒ぎする子ども。
「人前で大泣きして周りの人に迷惑がかかっているわ」と思い、「今日だけ特別だからね」とつい買ってしまう。すると子どもは「大泣きして地べたにひっくり返れば買ってもらえる」と学習する。
人への思いやり編
「思いやりのある優しい子に育ってほしい」と思い、「人に優しくしなさい」と常に言い聞かせている。友達におもちゃを取られそうになって泣いている我が子に「意地悪しないで貸してあげなさい!」と譲ることを強要している。
でも、電車で空いた席を見つけると「ほら、そこ空いているから座っちゃいなさい!」と椅子取りゲームのように命じている。お年寄りがいても気づかない振りをしている。