子どもから「ママは怒ってばっかりだからヤダ!」と言われ、更に夫から「そんなに怒ってばかりいなくても」、姑からも「たまにはいいじゃない」と言われてしまうことってありませんか?
自分ばかりが悪役で、しつけも空回り……なんだか損した感じがしませんか?
でもそれは、ママのせいではないかもしれません。
もしかしたら、ママが孤軍奮闘していて家族観で方針が一致していないため、なかなか子どものしつけがうまくいかず、母親だけが“叱り屋”になっている悪循環に陥っているのかもしれません。
“子どもが同じ行為をしても、家族観で対応が180度違う。”このように、パパとママ、ジジとババの叱る基準がずれていると、そこには一貫性が存在しませんね。
そこで今日は、『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が、正しいしつけのポイントをお話ししたいと思います。
家族によって対応が違うとしつけは上手くいかない
- 食事を残すと叱るママ、「好きな物だけ食べていればいい」と許すパパ
- 身体のことを考えて甘いお菓子を制限するママ、こっそり子どもにチョコレートや飴玉を食べさせているお祖母ちゃん
- ゲームを禁止するママ、子どもの前で食事中も携帯ゲームに没頭しているパパ
- 幼稚園に行くのをぐずる子どもに登園拒否を許さないママ、「嫌ならば休めばいい」と言うお祖母ちゃん
どっちが合っている、間違っているはありません。
ただ、家族の中で対応が違うと子どもは混乱します。
また、人は楽に流れるものなので、自分の要求を聞いてくれる人について行きます。こうなると、いつもママは悪者になります。
それで母親の前ではいい子のふりをして、他の家族の前ではやりたい放題になることもあります。
しつけは本来“人に従うものではなく、それをやっていいかどうかの価値基準により行動させるもの”です。
家族により対応が違うとしつけはうまくいきませんよ。
ママが叱り役、パパが救う役はどうなのか
たいてい、子どもと長い時間過ごしている人が自然と叱る回数も多くなります。
だいたい母親がその役回りになりますよね。
よく「ママが叱ったらパパがそれをフォローした方がよい」と言われますが、あくまでも「フォロー」です。
ママの行為を否定してはなりません。
例えば母親が叱ったとき、「ママは厳しすぎるよね。怖いよね」とか「ママがうるさく言うから言う通りにしておきな」とパパや祖父母が言ってはなりません。
何故ならば母親の言動を否定することになるからです。
かといって、家族一丸となって皆で集中攻撃して強く叱っては子どもの逃げ場がなくなります。
こんなときは「ママの言う通りだよ。好き嫌いしないで食べてみようね」とさりげなく言えばいいんです。
これは母親の行為を否定していることにはならず、同じ方針でフォローしていることになります。