「とっておき」を食べる
たとえば、味や形が好きなケーキ屋さんのもの、独創的でここでしか買えない惣菜パンを売っているパン屋さんのものなど、「とっておき」がある人は食欲がないときこそ口に入れてみるのも、元気を与えてくれるきっかけです。
「とっておき」だからこそ気分のいいとき、テンションが高いときに楽しみたいと思う人が多いですが、好きなものは落ち込んでいるときにも心を安定させてくれる大切な存在。
実際に「しんどいときほどあそこのクッキーを買うの」と話す筆者の友人は、好きなそれを目にすることでストレスが減るといいます。
いつものように心ゆくまで味わうような余裕はなくても、特別に楽しんでいるものを食べることで、「ああやっぱり美味しい」と自分の感覚を取り戻すこともあります。
食そのものにあまり興味がなくてそんな「とっておき」が浮かばないという人もいますが、好きな食べ物、好んで食べるメニューをあえて落ち込んでいるときに食べてみると、普段の調子を思い出すきっかけになることも。
自分の好きなものは、食欲がないときでも意識を変える一つの手段です。
食事を大切にすることで心と体も休まる
誰だって落ち込むことはあり、食べる気が失せるほどエネルギーが枯渇してしまう状況は避けられません。
そのとき考えたいのは、食べることは活動の基本であり、心と体は確実につながっている真実です。
食欲のなさを放置すれば、それがそのまま心からも回復する力を奪うのだと、忘れてはいけません。
だからといって無理な食事はよりストレスを強くするため、食欲がないときほど「いま食べられるもの」を意識する、負担の少ない食べ方を考えることが、自分を救います。
繰り返しますが、「欠食」は消化するものが体内にないため内蔵ははたらく機会を失って体力を落とすダメージとなり、感染症などにかかりやすくなるリスクが高まります。
食事を大切にするのは自分のため、どんなときでも「食べること」が活動を維持します。
心と体を休める食べ方を普段から見つけておくのも、いざというときに悩むことなく動けますね。
エネルギーを切らさない自分でいることを、忘れずにいたいですね。
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「何も口にしたくない」とき、心と同時に体も積極的に動く意思を失い、何をするにもつらくなります。
それを放置することがかえって自分の状態を悪くするのが現実で、前を向けないときでも「食べることだけは諦めない」と思うと、それが底力になります。
自分にとってストレスのない食べ方を知り、今だけと割り切って動くのも生きるため。
食事を考えることは「自分をおろそかにしないこと」だと考えたいですね。