発達障害の中でも理解されづらいのが、ASD(自閉スペクトラム症)のコミュニケーションです。
「普通わかるでしょ?」ということが分かりにくく、周囲の大人の混乱を招きがちです。
「発達障害は少数派の種族のようなもの」と、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授の本田秀夫先生は話します。
だから多数派のように生きるのではなく、特性を理解し、そのまま成長していける環境をつくること。無理に多数派になろうとすると、心の健康に悪影響が出てしまいます。
この記事では、本田先生の書籍 『自閉スペクトラムの不可解な行動には理由がある』より、自閉スペクトラムの子の一見“困った”行動と上手な対処法を紹介します。
困ったケース1:特定の子と一緒になるといつもケンカになる
マンガ:フクチマミ
普段は穏やかなのに、気の合わない友達と一緒にいるとトラブル多発。友達を叩いてしまったり、ケンカになったり…。
自閉スペクトラムの特性がある子の場合、特定の子と一緒にいるときにはイライラして、衝動的に相手を叩いてしまったりすることがあります。その場合はマンガのように先生が真ん中に入り、合わない2人の接点を減らして、無用なトラブルを減らすことを考えましょう
問題を起こしてから反省させるのではなく、子どもたちの様子をよく見て、問題が起こりやすい場面を減らすのがポイント。
これは家族で買い物に行くときにも有効です。
自閉スペクトラムの特性がある子どもは、興味がある物を見るとつい手を出して触りたくなってしまうことがありますが、初めから子どもを連れて店に入らなければトラブルは起きません。学童期までは『トラブル回避』優先でかまわないのです。
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