困ったケース4:生活ルーティンが身につかない
マンガ:フクチマミ
お風呂の時間、歯磨き、宿題など声がけしないと動かないのはどうして?
その子にとって、生活の流れがわかりにくいのかもしれません。そういう場合視覚的な情報を活用してみましょう。わかりやすいスケジュール表をつくって視覚的に生活ルーティンを明示します。ただ注意しているだけでは中学年になっても高学年になっても、この悩みが続いてしまう場合もあります。
マンガ:フクチマミ
「そんなにお膳立てして将来のためにならないのでは?」と思うかもしれませんが、「視覚情報」に頼るのは、実は大人も同じ。契約など重要な事柄は全て書面にしています。
自閉スペクトラムの特性がある子には、視覚情報を活用したほうが行動しやすくなる子が多いです。早くから支援を受けて、視覚情報に慣れ親しんでいったほうが、むしろ自立が進みます
自分に合った方法を早く理解することができると、生活がスムーズになり、成長とともに活動の幅も広がっていきます。
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「自閉スペクトラムタイプの子育ては、親の願いよりも子どもの気持ちやペースが優先。心の健康が全ての土台です」と本田先生。
苦手なことを無理強いするのではなく、その子らしく楽しく生きていける力を。それが親と子の幸せにつながっていくでしょう。
著者:本田秀夫
精神科医、医学博士。信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。2018年より信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。2023年より長野県発達障がい情報・支援センターセンター長。発達障害に関する学術論文多数。
日本自閉症スペクトラム学会会長、日本児童青年精神医学会理事、日本自閉症協会理事。特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事。
漫画:フクチマミ
マンガ家・イラストレーター。『おうち性教育はじめます』シリーズ、『マンガおさらい 中学英語』シリーズ(以上、KADOKAWA)、『マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK』(新潮社)、『マンガでわかる 散らからない仕組み』(主婦の友社)など
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